目黒駅から行人坂を下ったすぐに佇む、“日本美のミュージアムホテル”といわれる「ホテル雅叙園東京」。毎回人々を魅了するアフタヌーンティーが好評ですが、目黒川の桜が咲く今は、桜感じるアフタヌーンティーとして4月11日まで限定で登場しています。食べるのがもったいない“作品”といえるほど。開始前に試食させていただいたので、館内の芸術巡りも兼ねた優雅なひとときをご紹介いたします。

一歩入ると別世界!「New American Grill “KANADE TERRACE”」で過ごす春の午後

日本美に彩られた唯一無二のミュージアムホテル「ホテル雅叙園東京」。


館内を進み水辺に架かる橋を渡ると、まず「招きの大門」に圧倒されます。門の上には縁の結びも飾られて、まさにここは竜宮城


奥に進むと吹き抜けの天井から降る自然光に包まれて、外にいるような不思議な世界観に引き込まれます。


目的のアフタヌーンティーは、1階にある「New American Grill “KANADE TERRACE”(ニュー アメリカン グリル “カナデ テラス”」で、いただけます。


外壁はアーチ型にくり抜かれて開放的。間接照明が温かく、店内を区切る木の格子は陰影を生み、落ち着いた雰囲気です。


現在、「さくらアフタヌーンティー」(4,400円/グラスシャンパーニュ付6,270円・税込・サービス料抜)が、4月11日まで限定で登場しています。
和と洋が奏でる春のアフタヌーンティー
伺ったのは発売前のため、ホテル客室にていただきました。


テーブルを凛々しく飾る「さくらアフタヌーンティー」。

毎回のアフタヌーンティーを手掛けるのは、ペストリー料理長の生野剛哉さんです。1995年「東日本洋菓子作品展連合会会長賞」優勝など受賞歴は数々、有名ホテルでのペストリーシェフの経験を経て、2016年よりホテル雅叙園東京のペストリー料理長に就任されています。伝統に敬意をはらい、伝統菓子をベースにしつつも時代に合わせて、生産者の方々の想いもお菓子にのせて誠実に、独創的なお菓子を創作されています。


頭に浮かぶ色合いを紙に描き、今までなかったものをと時間をかけて創られたスイーツは全て渾身の手作り。黒いお皿とスタンドに春色が映え、床の間の調度品のように並ぶ美しさにうっとり・・・。「お客さまもしばらく召し上がらないんです」と生野さんは微笑みますが、お客さんの気持ちがとてもわかります!崩したくない芸術です。


上段には大小4つのスイーツ。まずはひんやり系からいただきましょう。


さくらと苺のトライフル」(左)は、メレンゲ菓子を添え、桜クリームの下にはみずみずしいいちご、砕いたクッキーミルキープルプルプリンが重なり、食感・甘み・酸味を楽しめます。


続いても冷たい系の「春桜のクレメ」(左)。ドーム型のふわふわムースを寒天ゼリーで覆い、その透明感は川を流れる桜のよう。中にはいちごのビスキュイ生地といちごソースが入って甘酸っぱく、下のザクッとしたクッキーが食感のアクセントに。

繊細で落雁のような「日本酒と黒豆のショコラ」(右)は、ほのか日本酒と黒豆の風味が小さな一粒からとろけ、あふれます。時間がたつと、ほどよく柔らかくなるので、ぜひ後半に食べていただきたいチョコレートです。


さくらとチョコレートの羊羹」は、和菓子の羊羹とは違い、卵を使って蒸し焼きにして、しっとりもっちり食感になっています。桜の香りにチョコの甘みと卵の深みもあり、桜の葉がさらなる香りを添えています。葉に巻くと桜の塩気ものり、甘みと良い塩梅に。


春の風景が浮かぶ下段。濃厚バターに桜が優しく香る「桜のマドレーヌ」(下)。


小豆と白いんげん豆が入った「よもぎスコーン(あんバター別添え)」。緑と黒に白が加わり爽やか。バター控えめのなめらかなこしあんを付けて味の変化も楽しめます。


さくらと塩麹のマカロン」(左)は、甘みある桜味に塩麹がほんのりきいています。桜柄のホワイトチョコにのせ、色鮮やかな楊枝をさして和小物のようなかわいらしさ。

濃い抹茶・桜あん・ホワイトチョコが重なる「桜と抹茶のオペラ」(右)。桜の塩漬けも一緒にいただくと一気に口の中に春到来!乾きを防ぐためシロップをしっかり染み込ませているそうです。


4種のセイボリー(軽食)は、あえて桜を使わずスイーツを引き立てています。「海老とほうれん草キッシュ」(中央)、「スペインオムレツ」(手前)、「スモーサーモンバジルサンドイッチ」(奥)と大満足な量!「冷製抹茶のスープ」(左)には、極細の麺(カダイフ)がのっているので、潰して浸すとシャクシャク食感が歯切れ良く、マイルドスープの底に沈んだ渋い抹茶が、後口をささやかに引き締めます。
季節のドリンクと一緒に時間いっぱい楽しもう
季節のおすすめ「さくらの紅茶」「フルーツハーブティー」をはじめ、紅茶やコーヒーを一緒に楽しめます。


さくらの紅茶」はダージリンティーに桜が豊かに香り、


「酵素発酵茶 La 香寿緑茶」は、氷も緑茶でまろやか爽やか。

また、桜のアイスクリームを使った「季節のカクテルさくらのデザートカクテル~」(1,760円・税込・サービス料抜)もあります。大人なドリンクも素敵ですね。


美術館にいるように“鑑賞”という言葉がぴったりな「さくらアフタヌーンティー」。90分制ですが、その時間はきっとあっという間。生野さんも、お話とスイーツを長く楽しんでもらえるように、と見た目だけでなく、味と食感に工夫を凝らし100%の力を注いでいます。


ちなみに、桜シーズン商品の売上の一部を目黒川沿いの桜を守るため寄付しているので、間接的に貢献できて、ちょっぴり幸せも感じますね。
延長!美と芸術のお花見
お茶会の後は館内をぐるりと鑑賞。


螺鈿細工、天井画、日本画、浮彫彫刻など日本の伝統的な装飾の豪華さに驚き、上を見たり横を見たり大忙し。タイムスリップをしたような感覚になります!


自由に出入りできる日本庭園では、滝と木々が四季の移ろいを描き、屋根には鳳凰が並び、日本文化と美のおもてなしを五感で体感。


ちなみに、「New American Grill “KANADE TERRACE”」入口の、PATISSERIE「栞杏1928」には生野さんのスイーツも並んでいます。折り鶴や鞠など和モチーフのチョコレートは美術品のようで、手土産にも喜ばれますね。


敷居が高いと思っていましたが、意外と若いお客さんもいらっしゃって行きやすさを感じました。桜スイーツをおひとりで堪能したり、大切な方と味わって話に花を咲かせたり。その後は館内も満喫して目黒川を散歩して、春の美と喜びを全身で感じる桜巡りはいかがでしょう。
さくらアフタヌーンティー
期間:4月11日まで(90分制)
場所:ホテル雅叙園東京 1階 New American Grill “KANADE TERRACE”
住所東京都目黒区下目黒1-8-1
時間:14:30〜17:30(L.O.)
予約・問い合わせ先:050-3188-7570(レストラン総合案内 10:00〜19:00)
交通:「目黒駅」から徒歩約3分
HP:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/

[All photos by kurisencho]

東京・目黒「ホテル雅叙園東京」さくらアフタヌーンティー(上から)