「眼鏡」を使っていると、レンズやフレームに付着した、ほこりや皮脂などが気になることがあります。特に春は花粉の飛散が多いため、眼鏡が汚れやすい季節ともいえるでしょう。そこで、小まめに眼鏡を手入れする必要がありますが、間違った方法で手入れをすると、眼鏡が傷んでしまう恐れもあり、注意が必要です。

 花粉が多く飛散する中、眼鏡はどのような方法で手入れをすべきなのでしょうか。眼鏡を手入れするときの注意点などについて、「眼鏡市場」を中心に眼鏡販売店を各地で展開する、メガネトップ(静岡市葵区)の担当者に聞きました。

から拭きはレンズが傷つく原因

Q.眼鏡はどれくらいの頻度で手入れをすべきなのでしょうか。3、4月は花粉が飛散しやすい時季ですが、花粉がレンズやフレームに付着したまま放置するとどうなりますか。

担当者「眼鏡は肌や外気に触れることで皮脂やほこりが付着するため、できれば毎日、手入れをするのがよいでしょう。ただ、花粉やほこりが眼鏡に付着したまま放置しても、それ自体が製品に与える影響は少ないです」

Q.では、眼鏡を手入れするときの注意点や効果的な手入れ方法について教えてください。

担当者「眼鏡の手入れ時はレンズを、から拭きしないようにしましょう。花粉やほこりが眼鏡に直接与える影響は少ないものの、レンズに花粉やほこりが付着した状態で、から拭きをすると、レンズに負担がかかり、引っかき傷のようなものができることもあります。

また、レンズに付着した汗や油汚れは、から拭きでは落ちにくいため、つい強くこすりがちです。これもレンズを傷つける原因となります。

眼鏡を手入れするときは、まずは水道水で全体を洗い流してから、眼鏡用のクリーナーをレンズやフレームに吹き掛けてください。その後、親指と人さし指の腹を使ってクリーナーを隅々まで塗り広げてから、ティッシュペーパーで拭き取りましょう。

ティッシュペーパーでクリーナーを拭き取ったら、仕上げに眼鏡用のクロスを使い、レンズやフレームを水滴が残らなくなるまでしっかり拭きましょう。なお、手入れに使うクロスは定期的に洗濯や買い替えをしてください」

Q.水道水や眼鏡用のクリーナーの代わりに、お湯や洗剤を使って手入れをしてもよいのでしょうか。また、市販の眼鏡用の洗浄機は使ってもよいのですか。

担当者「お湯は使わないでください。約40度の比較的ぬるめのお湯であっても、レンズのコーティングに悪影響を与えることが多いです。

手入れには眼鏡専用のクリーナーが望ましいのですが、もし洗剤を使うのであれば、必ず食器用の中性洗剤を薄めて使用してください。中性洗剤の原液や弱酸性の洗剤(ハンドソープなど)を使用すると、お湯と同様、レンズのコーティングに悪影響を与える可能性があります。

また、すすぎ残しがあると、洗剤が皮膚や目に付着するリスクもあります。そのため、当社では、眼鏡専用のクリーナーを使った手入れをおすすめしています。

洗浄機を使うと、フレームの隙間にたまったほこりなどは落ちやすくなりますが、汗や油汚れもしっかり落としたい場合、クリーナーを併用することをおすすめします。また、洗浄機の使用に向かないフレームもあるので注意が必要です」

Q.花粉よけのために眼鏡を掛ける人もいるようです。眼鏡は花粉よけとして有効なのでしょうか。

担当者「当社で実験を行ったわけではないため、あくまで一般例となりますが、普通の眼鏡を掛けただけで、目に侵入してくる花粉量は裸眼と比べて40%から50%ほど減少したという報告もあります。眼鏡を掛けることで、花粉の影響をある程度軽減できると思います。

専用の花粉防止眼鏡をはじめ、ゴーグルタイプの眼鏡は花粉のカット率が高いです。当社でも、耳掛けと鼻パッドの部分に抗菌材を練りこんだ花粉・飛沫(ひまつ)対策の眼鏡を販売しています。ゴーグルタイプの見た目に抵抗がある場合、なるべくレンズが大きい眼鏡やサングラスを選ぶと、ファッションとも合わせやすいのでおすすめです」

Q.眼鏡を買い替える目安を教えてください。使用時や手入れの際にレンズに傷が付いたり、フレームがゆがんだりした後もそのまま使い続けた場合、目や顔にどのような影響を与えるのでしょうか。

担当者「眼鏡のフレームの寿命は一般的に2年から3年といわれていますが、買い替えの目安は視力の変化やレンズに付いた傷が原因で『見えにくくなってきた』と感じたときです。

レンズに傷が付いた状態やレンズのコーティングが剥げた状態で眼鏡を使用すると、光の乱反射が生じて目に負担がかかり、目が疲れる原因となる場合があります。また、フレームがゆがんだり、ずれたりした状態で使用すると、レンズの度数通りに物が見えなかったり、鼻や耳の痛みにつながったりする場合もあります」

オトナンサー編集部

花粉の季節、眼鏡はどう手入れをする?