炎が迫り、煙に包まれた部屋に取り残されたのは2歳、4歳の男児と8歳の姉だった。恐怖に陥っていた子ども達は、近隣住民が窓の下に敷いたベッドマットレスに飛び降りようとしていた。しかしマットレスがあるとはいえ3階から飛び降りるには恐怖が伴う。すると8歳少女は弟たちの先陣を切って、勇気を出して飛び降りたという。『Chicago Sun-Times』などが伝えている。

米イリノイ州シカゴワシントン・パーク近くにある3階建てのアパートで今月17日午後11時半頃、3階の部屋で火災が発生し、部屋には2歳、4歳の男児と8歳姉の3人が取り残された。母親は仕事に出掛けていたため、現場にはいなかったという。

近所に住む目撃者のデール・ケンドリックさん(Dale Kendrick)は「とにかく煙が凄かった。煙のせいで炎が見えないくらいだったよ」と、激しく燃えていた様子を明かしている。

火災に気付いた近隣住民は、消防隊が到着するまでに何とか子ども達を救出できないかと考え、窓の真下にベッドマットレスを用意して飛び降りるように子ども達を促した。

だがベッドマットレスがあっても、建物の3階から飛び降りるのは大人でも足がすくんでしまう。この8歳少女も戸惑ったはずだが、2人の弟にお手本を見せるかのように覚悟を決めて飛び降りた。

少女が無事に着地すると、4歳の弟が姉を追いかけようと窓枠に身を乗り出した。ジャンプしようと勇気を振り絞っていたその時、通報を受けたシカゴ消防隊が現場に到着した。4歳の男児は飛び降りることなく、消防隊がはしごをかけて2歳の弟と共に救出した。

病院に運ばれた3人の子ども達は、煙を吸い込んでしまったことで危険な状態にあったが、現在の容体は落ち着いているという。また8歳少女は、着地の衝撃で足首をケガしたと報じられている。

消防隊によると、キッチンにあるコンロがつけっぱなしになっていたと言い、これが火災の原因となったようだ。

シカゴ消防隊は当初、8歳の少女がベッドマットレスを窓から落として飛び降りたと報告していたが、実際は近隣住民が用意したものだった。

同消防隊のエリア長、フランク・ヴェレスさん(Frank Velez)は「3階からマットレスに向かって飛び降りるのは必ずしも良い方法とは限りませんが、時と場合によっては上手く行くこともあります。今回の場合は、少女の身体が小さかったことが功を成したのでしょう。大人の場合は同じようにはいかないと思います」とコメントした。

3人の子ども達の母親はシカゴ警察の事情聴取を受けたが、罪に問われることは無かったそうだ。目撃者のケンドリックさんは「幼い子ども達だけを部屋に残して出掛けるのは良くないと思います。どんなことがあろうと、18歳以上の大人と一緒にいるべきです」と話している。

これに対して母親は「近所の人に子どもを見てもらうようにお願いして仕事に出掛けていた」と述べており、その頼まれた人が火災当時に子ども達と一緒にいたのかどうかは明らかになっていないという。

画像は『Chicago Sun-Times 2021年3月18日付「Child escapes South Side fire by jumping onto mattress from 3rd-floor apartment; 2 siblings rescued」(Pat Nabong/Sun-Times)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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