チームを代表するスター選手がイマココに君臨しているのは、実はドラフトの抽選で負けた結果というケースもあります。
もし運命の日、抽選に勝っちゃっていたら、推しチームの推し選手は存在していなかった-。
そんな「奇跡の男」3人を紹介したいと思います。
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2005年高校生ドラフト1位 オリックスのT-岡田(履正社)
言わずと知れた京セラドームの顔、T-岡田。プロ15年間で放った本塁打は204本。ライトスタンドへの芸術的な放物線に応援歌のかっこよさ。史上12人目の「全打順本塁打」を達成したことも記憶に新しいです。
あの秋、オリックスからは外れ1位で指名されました。本命は大阪桐蔭の辻内崇伸でしたが、2球団競合の末、巨人が交渉権を獲得したのです。
ちなみに辻内は1軍公式戦登板なしで現役引退。「オリックス・辻内」が誕生していたら、また違った未来が存在したのかもしれません。
2006年高校生ドラフト1位 巨人の坂本勇人(光星学院)
「外れ1位史上最高傑作」と言っても過言ではないでしょう。
あの秋、巨人は高校生ドラフト1位を駒大苫小牧・田中将大か愛工大名電・堂上直倫かの2人に絞り、「ポスト二岡」として後者を選択しました。しかし、阪神も含めた3球団競合の末、中日に交渉権を奪われてしまいます。
ここで巨人が外れ1位で指名したのが、光星学院の大型ショート・坂本でした。東北地区の担当スカウトだった大森剛さんが、ドラフト当日に坂本を絶対に獲得したいという思いから「堂上を外してくれ!」と念じていたという『伝説』も残っています。
2010年1位 ヤクルト・山田哲人(履正社)
「早大三羽がらす」こと斎藤佑樹、大石達也、福井優也の3人が話題を集めた秋でした。
ヤクルトは本拠地である神宮を早実時代から沸かせたエース・斎藤に早くから照準を絞り、熱烈ラブコールを送りますが、4球団の競合の結果、斎藤は日本ハムへ。ならばと八戸大の左腕・塩見貴洋を外れ1位で指名も、2球団の抽選の末、楽天へ-。
外れ外れ1位で指名したのが、のちのトリプルスリー男・山田だったのです。
オフには国内FA権を行使することなく、異例の7年契約で残留。年俸は推定5億円。今季はキャプテンとして、名実ともにチームを牽引する役割を担っています。
これらの3つの例からは、アンラッキーが実は大きな幸福を運んでくることもある、ということが分かります。
むしろ入団したら、順位すら関係ない。あるのは激しい生存競争だけ。新たな旅を始めたすべてのルーキーの未来に、幸あれと祈るばかりです。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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