3月27日(土)に放送される震災10年特別企画「音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~」(夜11:00-0:00、NHK総合)。同番組は、渡辺謙が司会を務め、震災10年の特別企画として、スティング、ダニエル・パウターら海外のトップアーティストや、スガシカオJUJU平原綾香大江千里など日本を代表するアーティストがディスタンスを越えたコラボレーションで登場。被災地との絆を振り返りながら、東日本大震災のときに勇気を届けたミュージシャンたちの活動や、その後の交流を振り返りながら、被災地を励ました“希望のうた”や、これまでの交流から生まれた新曲を披露する。

【写真を見る】ジャズピアニスト・大江千里の演奏で圧巻の歌声を披露するJUJU

司会の渡辺謙は「他者を思いやって心を寄せ合う社会をどうやって築いていくべきか、私達はいま、大きな試練を与えられている気がします。今回、この番組に司会として参加させていただき、アーティストの皆さんのコラボやパフォーマンスからとても強いメッセージを感じとることが出来ました」とコメントを寄せた。

また、渡辺謙は小曽根真のピアノ演奏で、谷川俊太郎の詩を朗読する他、番組のフィナーレにて演奏されるスペシャル企画「花は咲く Music for Tomorrow 2021 Version」で歌唱を披露する。同曲は、日本ジャズ界のレジェンドである渡辺貞夫、アメリカの人気ピアニストボブ・ジェームス、ドラムスティーヴ・ガッド、そしてベースのウィル・リーら、トップミュージシャンが演奏。さらに、JUJU、平原らの出演アーティストだけでなく、リモート観客として登場した被災地の若者らも歌唱で参加する。

■出演アーティスト&披露する楽曲を紹介!

JUJUは、ニューヨークで活動するジャズピアニスト大江と「奇跡を望むなら…」で初共演。「これほどまでに奇跡を心から求めている時はない」とニューヨークから呼びかける大江に、 JUJUは「みんなが希望を忘れないっていうのが一番大切」と、この曲のメッセージを語る。

平原は「Jupiter」を「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」の世界的ヒットで知られるカナダ出身のシンガーソングライターのダニエル・パウターとデュエット。そして、平原が震災後に共演し、その後も交流を続けた石巻の高校のブラスバンド部と元副部長の女性とリモートで再会する。

また平原は、アメリカのジャズピアニスト、ボブ・ジェームスと岩手・大船渡のビッグバンド大船渡サンドパイパースが10年の交流を経て今回一緒に作った新曲にも参加。バンドメンバーとの絆をつづったVTRを見たボブ・ジェームスは、思いがつのって号泣。「大船渡の皆さんと10年にわたってご一緒出来て、本当に光栄だ。音楽の力を改めて思い知った」と語る。

さらに、スガはアメリカの世界的ウクレレ奏者ダニエル・ホーと「見上げてごらん夜の星を」披露する。同曲は、スガらが2013年にレコーディング、被災地支援のチャリティーソングとしてリリースしており、「長く時間をかけて支援を続けていくことが大事だ」と語るスガと、被災地の若者たちとの交流を日米で続けるダニエル・ホ―が、星空の下で共演する。

番組には、グラミー賞を17回受賞のポップレジェンドスティングも登場。東日本大震災の被災者をいたわるメッセージとともに、名曲「Fragile」を本番組の視聴者に向けて特別に披露。災害や新型コロナなどの自然の脅威に対して、世界が力を合わ せて向き合っていくことの大切さを歌う。

また、震災当日に被災地支援の活動をいち早く始めたレディー・ガガがVTRで出演。6月に来日した際にレディー・ガガは、自身のキスマーク入りのティーカップをチャリティーオークションにかけており、番組では落札した宮城の歯科医への思いと、その後のエピソードを紹介する。

■渡辺貞夫コメント

震災直後からボブは被災地を訪れ、人々を励ましてくれました。スティーブウィルニューヨークから応援してくれていました。昨年から続くコロナ禍のお陰で、離れ離れの共演になりますが、この自慢の仲間たちと、同じ強い思いで、この曲を演奏できるのは嬉しいことです。

僕たち日本人は、様々な試練を共に乗り越えてきました。敗戦後の焼け野原からだって、助け合い、支えあいながら、立ち上がりました。今は見通しのつかない不安が大きいけれど、この先には必ず希望があることを信じて、一緒に進みましょう。

大江千里コメント

2014年のニューオーリンズ、2016年の福島に続いて、「Music for Tomorrow」に参加しています。今回はJUJUさんとリモート共演で「奇跡を望むなら…」をお届けします。この番組で日本の皆さんと一緒に、音楽で明日へ希望をつなげることができるのが嬉しいです。

JUJUのコメント

大先輩である大江千里さんとのコラボレーションで「奇跡を望むなら…」を歌わせていただくのですが、この曲はタイトルの通りまさに「奇跡を望む」気持ちで 2000年台初頭にその当時私が住んでいたニューヨークで作り上げた楽曲です。

2006年のリリース以降少しずついろんな方が共感してくださり、それによって私自身の音楽人生も大きく変わりました。そして 2021年の今、ニューヨークで活躍されている大江千里さんのピアノでこの曲を歌えるなんて!! 本当に光栄です。スペシャルコラボレーションでの「奇跡を望むなら…」がたくさんの方の心に届きますように。

スガ シカオのコメント

東日本大震災のときは、ボランティアで現地に行ったり復興支援のライブを配信したりしたけど、自

分の生活もいっぱいいっぱいだったので、まとまった支援が出来ませんでした。

そのかわり、自分はできるだけ長く支援を続けていこうと心に決めています。今回、友人のハワイアンミュージシャン、ダニエル・ホーと共演します。ダニエルは、音楽も素晴らしいけど、すっごく優しくていいヤツ。一緒に「見上げてごらん夜の星を」をやります! 

平原綾香コメント

災害や新型コロナなどの困難を乗り越えるために繋がり合い、音楽で心をひとつにするために、私も精一杯歌わせていただきました。カナダ出身のシンガーソングライター ダニエル・パウターさんとの共演で「Jupiter」をデュエットいたします。

パウターさんとは、今年2月に「Save Your Life」という新曲でコラボレーションしたばかりです。震災当時から日本へエールを送りつづけてくださっているパウターさん。2人で祈りを込めて歌います。また今回は、ボブ・ジェームスさんと大船渡サンドパイパースの皆さんの絆から生まれた新曲にも参加しています。どうか、この番組で皆さまの心に少しでも寄り添えますように。

渡辺謙コメント

新型コロナウイルスでは、世界中の誰もが当事者。他者を思いやって心を寄せ合う社会をどうやって築いていくべきか、私達はいま、大きな試練を与えられている気がします。今回、この番組に司会として参加させていただき、アーティストの皆さんのコラボやパフォーマンスからとても強いメッセージを感じとることが出来ました。私も、朗読で参加。「花は咲く」では歌も披露させていただきます。ぜひ、ご覧ください!

「音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~」司会を務める渡辺謙/(C)NHK