とってもオトコ前なタレがあると聞き、向かったのは神奈川県の逗子にある『海鮮食堂 満天』。湘南や三浦でとれた地魚をはじめとした、旬の鮮魚や酒の肴のほか、丼ものや定食なども美味しいと評判のお店です。

 コロナ禍で営業時間短縮の流れの中、日替わり弁当や惣菜を売り始めたのに続き、オリジナルのタレを販売したところ、その美味しさに地元住民だけではなく、ネット購入者もどハマりしているとのこと。一体どんなタレなのか、そしてどんだけオトコ前なのか。期待に胸を膨らませつつ店に向かいます。

ゴマ、ポン酢、ラー油3種類ある「漢ダレ」

ゴマとポン酢は370mlの使い切りがいいサイズ。3本セット購入の場合2160円。もちろん単品での購入可能
ゴマとポン酢は370mlの使い切りがいいサイズ。3本セット購入の場合2160円。もちろん単品での購入可能

 店に入ると、入り口横の棚にボトルが陳列してあります。ラベルを見ると、「漢ダレ」と書いて「オトコダレ」。そして店には、店主の三浦さんの他にもう一人、開発者の山本さんの姿が。

 実はこの漢ダレ、満天の店主とお客さんが共同で作ったタレなんです。そもそも山本さんがタレのベースを作り、自宅で楽しんでいたのですが、店に持っていったことをきっかけに、味の改良などを重ねて商品化。2020年の11月からネットショップのBASEなどで販売するようになりました。

「味のプロとして三浦さんのアドバイスをもらいたかったんですよ。そこから2人で、原材料をいろいろ変えるなどして美味しさを追求していきました。コンセプトはもちろん『漢』。僕は北方謙三さんの水滸伝の大ファンで、『漢』というのは男よりもっと男らしく、そして洗練されたイメージ。そこからタレの名前を「漢ダレ」にしたんです」。

常連客と店主の関係から生まれた万能調味料

漢ダレ開発者の山本さん(左)と三浦さん(右)。店頭での購入は営業日の17:00~20:00(コロナの状況による。定休日は水曜)
漢ダレ開発者の山本さん(左)と三浦さん(右)。店頭での購入は営業日の17:00~20:00(コロナの状況による。定休日は水曜)

 山本さんの本業は業務コンサルティング。つまり料理の素人が作ったタレ。店にいきなり持っていった山本さんの思いつきも衝撃ですが、さらに味を極めるべく共同開発した店主の三浦さんもすごい。そういう意味でも客の度胸、受け入れた店主の懐の深さがクロスした、漢気溢れるタレなのかも。

「一言で言うと、万能調味料なんですよ」と山本さん。単品で味わうのはもちろんのこと、漢ダレ同士を混ぜて使うことにより相乗効果で食材がもっと旨くなるとのこと。にんにくパンチを、唐辛子で辛さのインパクトを出すことで、洗練されつつも漢らしさ満点になったという「漢ダレ」。早速オススメの使い方&味わい方を紹介します!

「漢ダレ 胡麻」は和え物でパンチの効いたワンランク上の味に!

「漢ダレ 胡麻」864円。どろっとした重量感、そして濃厚な旨み。ボトル1本の中の胡麻の量、きっとすごいことになってる
「漢ダレ 胡麻」864円。どろっとした重量感、そして濃厚な旨み。ボトル1本の中の胡麻の量、きっとすごいことになってる

 まずは「漢ダレ 胡麻」。すりゴマとニンニクをたっぷり使用し、お酢の酸味とラー油の辛味を混ぜ合わせた濃厚な胡麻ダレ。隠し味にカツオや昆布も入っているので、ほのかに旨みも感じられます。実際にお皿に出してみると、胡麻ペースト並みの粘度。「すりゴマの量をケチらず、徹底的に旨さを追求しました」と山本さん。

 なので、海藻類や蒸し野菜の和え物、またはブリやカツオなど赤身の魚のつけダレとして味わうのに最適です。

ワカメに旬の野菜や魚の切り身、最後に「漢ダレ 胡麻」を適量入れて混ぜれば完成
ワカメに旬の野菜や魚の切り身、最後に「漢ダレ 胡麻」を適量入れて混ぜれば完成

 満天の店主、三浦さんにオススメレシピを聞くと、「ワカメの和え物が簡単でいいよ」とのこと。生ワカメもしくは戻したワカメを一口大に切り、この日はカツオの切り身、そして飾りにネギとシソ。さっと合えるだけで完成。ワカメを戻す時間がなければ1分以内にできちゃう超時短料理です。タレの粘度が高い分、ワカメカツオにしっかりと絡みます。タレの酸味と旨みのコクはもちろんですが、カツオの切り身とニンニクが合わないわけがないっ! 王道ゴマ和えより、お酒やゴハンが進む味に進化しています。簡単すぎるのに旨いってありがたい~。

香りと辛味が一気に立つ!「漢ダレ ポン酢」のパンチ力がすごいっ!

「漢ダレ ポン酢」648円。豚しゃぶにすると、肉の甘みを引き立てるキリッと味。箸が止まらない
「漢ダレ ポン酢」648円。豚しゃぶにすると、肉の甘みを引き立てるキリッと味。箸が止まらない

 次に、漢ダレのポン酢バージョン。柑橘とニンニクの風味、そしてラー油の辛味を混ぜ合わせた、パンチの効いたポン酢です。一般的なポン酢って醤油とお酢でシャキッとキリッと尖った感じですが、漢ダレのポン酢は、ゴマだれ同様、ニンニクラー油カツオや昆布が入っているので、キリッとした中にも旨みの奥深さがあります。

「漢ダレ ポン酢サラダや豆腐など、幅広い使い方ができますよ」と山本さん。つけて味わうのもいいし、肉野菜炒めの最後にかけると味がビシッと決まるそう。なるほど。それも美味しそう。

そのまま豚しゃぶのつけダレにするのもいいし(写真右下)、鍋の時の黄金比である「漢ダレ ポン酢」7:「漢ダレ 胡麻」3の割合で混ぜる(写真左上)のも絶品!
そのまま豚しゃぶのつけダレにするのもいいし(写真右下)、鍋の時の黄金比である「漢ダレ ポン酢」7:「漢ダレ 胡麻」3の割合で混ぜる(写真左上)のも絶品!

 ということで、三浦さんにオススメレシピを聞くと「やっぱり肉だね」。この日は豚肉の薄切り、豆苗、トッピング用のパクチーと具材3種だけの鍋。シンプルな分、素材の美味しさ、そしてタレの味で左右される鍋でもあります。

 軽く湯通しした豆苗を、同じくしゃぶしゃぶした豚肉に包んで一口! 最初に柑橘の香り、次いで酢醤油、途中でニンニク、最後にラー油の辛さが広がる時間差波状攻撃。ドスッとキリッと旨い。豚肉の甘さが引き立ち、ビールか酎ハイが欲しくなる美味しさです。「鍋はもちろんですが、餃子や唐揚げも相性いいですよ」と山本さん。油を程よく軽くしてくれる酢の効果に、ラー油のピリッと、ですね。

食べたら発汗必至! 癖になるザクザク旨辛な「漢ダレ ラー油」

「漢ダレ ラー油」648円。具が多く、麺と絡めてもツブツブの存在感あり
「漢ダレ ラー油」648円。具が多く、麺と絡めてもツブツブの存在感あり

 そして、「ゴマだれやポン酢の味を追求している際、既製のラー油を使っていたんですが、どうも油臭いというか気になって。どうせならラー油も作っちゃえ、ということで生まれたのがこれなんですよ」。製作過程で満足のいくラー油を求めた結果、生まれたのが「漢ダレ ラー油」。ということは、ゴマだれやポン酢に入っているラー油ってことですね。

「辛味だけではなく、ニンニクスパイスが融合することによって、究極の風味を追求しています。食べたら即鼻の頭に汗が出るくらい辛い! でもクセになりますね」。油臭さを解消するため試行錯誤した結果、上質の米油を軸にしたそう。「生姜や花椒、八角も入れることで味に深みを出しているんですよ」。

スプーンですくうと、これだけの固形感。かけるというより、のせる、といった感じ
スプーンですくうと、これだけの固形感。かけるというより、のせる、といった感じ

 店主にこのラー油のおすすめ利用法を聞くと、「麺だね~」。鍋の締めのラーメンやうどん、カップラーメンにちょい足し、釜玉うどんにちょい足しなど、あったかい麺に和えることで、辛さと香りがブワッと立って、旨さがアップします。

 麺の他にゴハン物にもおすすめ。卵ゴハンの最後にちょっと入れたり、牛丼にちょっと乗せたり。具がザクザクとはいっているので、たら~りかけるというより、ちょい乗せ、という感じでしょうか。少量でも存在感は抜群です。

「ワンコイン500円の小サイズや第4代の新商品も4月以降に販売予定ですので、BASEでご確認ください」(開発者の山本さん)
「ワンコイン500円の小サイズや第4代の新商品も4月以降に販売予定ですので、BASEでご確認ください」(開発者の山本さん)

 ネーミングのインパクトもありますが、実際に食べてみるとガツっとくるのにすっと抜けるいい余韻。一度食べたら忘れられない、クセになる美味しさだとリピーターが増えているのに納得です。ただインパクトが強いだけではなく、香りや旨さがしっかりと存在感を放つ、まさに「洗練された漢らしさ」を感じさせる味わいでした。

 おうち料理や家なべ、ちょっと味が単調になってきたな~。という時こそ、この「漢ダレ」を。様々な料理に応用もできる上、ちょっと足すだけなのに自力で作るには大変な、複雑な旨みを家で楽しむことができるようになりますよ。

 最後に山本さんから「これからはアウトドアBBQが気持ち良い季節。焼肉にも抜群に合う漢ダレの黄金比は、「漢ダレ 胡麻」7:、「漢ダレ ポン酢」3の割合がオススメですよ。身体も心も満たされること間違いなし」とのことです。

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

海鮮食堂 満天外観

店名:海鮮食堂 満天

住:神奈川県逗子市逗子7-1-51
TEL:046-871-3102
営:17:30~22:00
休:水曜

「漢ダレ」ネット販売
https://otokodare.thebase.in/items/35912390
https://go.sumachu.com/manten/

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