プロ野球が26日、セ・パ両リーグともに開幕した。パ・リーグの昨年最下位、オリックスは埼玉・メットライフドームに乗り込んで、埼玉西武と3連戦を行うも、開幕戦は今年も勝てず11年連続で勝ち星を逃し、開幕カードも1勝2敗と10年連続で負け越している。

オリックス 3.26-28試合結果】
対 埼玉西武
埼玉・メットライフドーム

26日
オリックス(山本)3-4(高橋光)埼玉西武

27日
オリックス(宮城)3-2(浜屋)埼玉西武

28日
オリックス(山岡)1-5(平井)埼玉西武

※(カッコ)内は先発投手

 「チームはしばらく開幕戦に勝っていないので、勝って良いスタートを切りたい」と話していたエース山本由伸が先発を務めた開幕戦は、センターラインを太田椋紅林弘太郎といった若い選手で固めた中嶋聡監督。しかし、選手たちからは明らかに緊張感がヒシヒシと伝わっていた。これは無理もないだろう。このセンターラインにエラーが出たこともあり、開幕戦は黒星スタートに。主砲の吉田正尚と、開幕初のスタメンキャッチャーとなった頓宮裕真ホームランが出たのは好材料と言えただろう。

 2戦目は高卒2年目の左腕、宮城大弥が7回を123球の熱投。2失点を喫してしまったが、8三振を奪うなどテンポの良いピッチングで、本人が「さらに精度を上げていく」と話していたカーブが効果的に決まっていた。敵失もあり、8回を平野佳寿が、9回を漆原大晟がピシャリと抑えて、中嶋監督の誕生日に監督初勝利をプレゼント。パ・リーグ相手に宮城が7回まで計算出来ることが分かったのは大きい。また平野を8回にしたことで、今年のクローザーは漆原になりそうだ。

 3戦目は、もう一人のエース山岡泰輔が先発。6回を5安打、4失点でマウンドを降りた。山岡は「立ち上がりはボールが高く浮いてしまっていたと思います。2回以降、なんとか粘り強く投げようと思っていましたが、6回のピンチの場面で粘り切れず、悔しいです」とコメント。試合は1-5で敗れたが、7回に紅林が嬉しいプロ1号のソロホームランを放った。紅林は「打ったのは真っすぐです。しっかりと芯で捉えられましたし、いい感触でした。(プロ初HRについては)うれしいですが、ここまであまり打てていなかったので、1本出てくれてよかったです!」と安堵の表情を浮かべた。

 2019年ドラフト1位の宮城と、同2位の紅林といった同期2人を中心に、太田や頓宮もしっかりとアジャストしており、宗佑磨の守備には光るものがあった。ジョーンズ、モヤ、伏見寅威も絶好調だ。負け越してしまったが、今年のオリックスは希望に満ちている。30日からは福岡ソフトバンクと大阪・京セラドーム大阪で本拠地開幕3連戦。ソフトバンク相手に若い力がどう立ち向かっていくのか注目したい。

(どら増田)

宮城大弥