1996年に創刊し、この10年の間休刊していた戯曲雑誌『せりふの時代』が、特別編集版で限定「復刊」となり、2021年3月30日(火)『せりふの時代2021』として発売された。

『せりふの時代』は、1996年に創刊した戯曲雑誌。この10年休刊していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、厳しい制限のもと演劇公演を模索し続けている社会情勢の今こそ、戯曲雑誌の力が求められる時と、限定で「復刊」となった。「公演を待ちわびる演劇ファンや創作と発表の機会を望む劇作家はもちろんのこと、演劇を愛し、演劇にかかわるすべての皆様の思いを形にしたい」という趣旨に賛同した日本劇作家協会の協力のもと、特別編集版が実現したという。

【特別インタビュー】 佐藤信 (写真は「せりふの時代2021」より)

【特別インタビュー】 佐藤信 (写真は「せりふの時代2021」より)

同誌では、べテランから若手まで23人の人気劇作家が、書き下ろしの短編や上演予定、配信の新作などでその思いを結集。合わせて、「創刊号」からコロナ禍の演劇界へのメッセージを込めて厳選再録した特集や唐十郎のことばや佐藤信特別インタビューも掲載されている。

また、表紙絵は のん(女優・創作あーちすと)が描いている。のんは、「現実の言葉を凌駕して心をわし摑みにするせりふに出会いたくて、演劇を観るときはドキドキ胸が高鳴ります。これまで生まれてきたせりふが残っていくのは素晴らしいことです。そしてこれからも、私たちをドキドキさせるせりふが生まれてくるに違いない。そう信じて、劇場という空間に憧れ続けるのだと思います」とコメントしている。

のん(女優・創作あーちすと)が描く表紙絵も話題。 (写真はその原画)

のん(女優・創作あーちすと)が描く表紙絵も話題。 (写真はその原画)

また、日本劇作家協会の渡辺えり会長は、「私たちとともに演劇を愛し歩いてきた『せりふの時代』が復刊します。コロナ禍でのこれほどの快挙があるでしょうか!「演劇は生きる力」です」と、歓喜のコメントを寄せている。

渡辺えり

渡辺えり

『せりふの時代2021』