感銘を受けたアーティスト・楽曲・ライブ……M!LKのリーダーである、吉田仁人が“惹かれる音楽”について、自身の言葉で綴っていく。

【動画】最終回は映像つき!で語る、吉田仁人

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【吉田仁人のごーしちごー】
最終句 DinoJr.「Tokyo City」
(2016年10月12日発売『DINOSENCE』収録)

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■吉田仁人が最後にどうしても紹介したかった、DinoJr.

今回は『吉田仁人のごーしちごー』の最終回になります。言っちゃえば辞世の句ですね……これ、上手いこと言えてる? ブラックジョーク過ぎ?

僕は「もし明日世界が終わるなら何する?」という質問に真剣に答えるなら、「いつも通りの日常を送る」と答える人間なので、最後も普段通り書かせていただきます。

とは言っても、寂しいものは寂しいです。これは初めての連載。子供の頃に、欲しかったおもちゃを買ってもらった時のような喜び、これでどんな遊びをしようかとワクワクする感覚。久しぶりにそんなものをこの連載に感じました。

僕の音楽習慣は、ヘビロテからニューリリース漁りになり、同世代が作る音楽に感心し悔しくなり、ただの音楽好きに毛が生えた(生えているかすら微妙)ような奴から、それを言葉にして世に放つきっかけを作ってくれました。

寂しさもありますが、あるだけの感謝を込めて、最後の一句を書かせていただきます。

今回紹介する曲は、DinoJr.の「Tokyo City」です。正直これが収録されているアルバム『DINOSENCE』、いやDinoJr.さんについて書いていきたいところですが、それだとたぶん書ききれないと思うので一曲に絞りました。苦渋の決断ですよ。でも、少しだけ書かせて欲しい!

まず、DinoJr.さんの作る曲の何が好きなのかというと、踊れるんですよね。初めて聴いた時、イントロで体が動き始めて、歌い始めて「え、邦楽!?」と驚いてしまった記憶があります。

そして、唯一無二さ。「このバンド好きならこの人も良いよ!」なんて友達に教えた経験は誰しもあると思うんですけど、この方は似たアーティストが見当たらないんです。

僕のお気に入り曲プレイリストは、中身がコロコロ変わるんですけど、DinoJr.さんは殿堂入りしている、まさに僕のイチオシアーティストです。

その中でも、今回紹介する「Tokyo City」はとっても繊細で寂しさの溢れる一曲。ラジオでかけさせていただいた「Safari」ももちろん大好きですが、DinoJr.さん特有の上品な歌声を堪能するにはうってつけ。

今あなたが何も考えずただ心を休めたい。ただ音楽に浸りたいと思っているなら、ぜひ聴いていただきたいアーティストです。

ということで、『吉田仁人のごーしちごー』ラストに紹介したのは、DinoJr.さんでした。良い締めになったと思います。無事完走です。

最後の句は、これまで紹介してきたアーティスト、そして僕自身グループ活動をしているので、おこがましいですが総評として詠ませていただきます。

「日々の糧 作るため皆 ひた走る」

去年思ったのは、僕らの職業って括りとして“娯楽”なんだってこと。ないと困るけど、日常からいちばん初めに削られてしまうものなんだな、って。

一見、娯楽でもそれを生きがいに、生業にしている人が大勢いるのが事実ではあります。でも、そんな側面は見せず、日々を頑張ってきた方に癒しと活力を与えられるような存在になれるよう、今後も精進していきます。

ということで、以上。『吉田仁人のごーしちごー』でした。ご愛読ありがとうございました。またどこかで。

TEXT BY 吉田仁人(M!LK)
PHOTO BY 冨田 望

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【DinoJr. リリース情報】
2021.03.17 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Sayonarakun」

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【プロフィール】
ミルク/佐野勇斗、塩崎太智(崎はたつさきが正式表記)、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人。スターダストプロモーションに所属する5人組ボーカルダンスユニット。

【リリース情報】
2021.03.24 ON SALE
SINGLE「energy」
(M-ON! MUSIC)

掲載:M-ON! Press