2006年に公開された日本映画「フラガール」。その舞台化となる「フラガール − dance for smile –」が、2019年の初演から約1年半、新キャストが集結しての再演が決定。4月3日の開幕を前に、舞台挨拶&ゲネプロが行われた。

【写真】「フラダンス、第一印象では“腰を動かすのがすごく大変だな”と思いました」樋口日奈

本作が単独初主演舞台となる樋口日奈(乃木坂46 )を始め、山内瑞葵(AKB48 )、安田愛里(ラストアイドル)ほかキャストたちが意気込みを語り、仕上がった姿を見せた。

「フラガール − dance for smile –」は、昭和40年代の福島県いわき市にある炭鉱町を舞台に、常磐ハワイアンセンター設立までのエピソードを、フラガールに生まれ変わっていく少女達の笑顔と涙で描いた物語。

樋口日奈】(フラガールのリーダー・谷川紀美子役)

「無事に初日を迎えることができて、まずはうれしいなと思います。コロナで大変な時だからこそ、会場に来てくださる皆さんの心に、作品を届けられるのだと思うと楽しみです。キャスト・スタッフ、みんなで団結してここまでがんばってきたので、来場された方の心に作品を届けられるようにがんばります!

フラダンスは、これまで使ったことのない腰の動きや振りが詰まった踊りで、第一印象では“腰を動かすのがすごく大変だな”と思いました。稽古が終わりに近づいたころ、先生から『フラダンスは、誰一人も欠けちゃいけない』という言葉をいただいて… それがすごく心に響いて。それでまでは、ずっと自分のことだけで必死だったんですけど、最後にはアイコンタクトを取りながら“みんなで踊りをつくっていく”という気持ちになれたので、本番でもそれを心掛けて踊っていきたいです。

私たち自身も体調に気を付けて日々励んでいきます。皆さんも体調に気を付けて会場におこしください。でも、来てくださった方には、“いまをどう生きよう、明日をどう生きよう”と考えるきっかけになるような、そんな作品をお届けできると思います」

矢島舞美】(平山まどか役)

「1カ月間の稽古、みんな一所懸命に健康管理しながら、ようやく初日を迎えることができてうれしいです。いま舞台を、このコロナのなかでやるという意味を、私たちも責任をもって演じていかなくてはいけないなと感じています。こういう状況だからこそ響くものがあると信じて、それを私たちが届けられるようにがんばります!

フラダンスについては、私は生徒たちの目標となる、みんなの人生を変える踊りをしなくてはいけない役なので、それだけのものを体現しなくては! という強い思いがあって、それが私のなかでのプレッシャーにもなっていました。

稽古が終わった日は、腰が痛くなって“うーん”と唸りながらお風呂に入ったりもしました(笑)。それでも、だんだん筋肉が付いて、いまはとてもたのしく踊れています。

フラダンスは、大地・自然と一体になるというような要素もある踊りなので、気持ちよく、ゆったりと、自然とひとつになっているような気持ちを込めて踊ることができているのかなと思います。

舞台の最後、私が育てた生徒たちが初舞台を踏むシーンがあるのですが、見るたびに胸にグッときます。見守りながら泣きそうになるんですけど、舞台を見に来てくださった皆さんにも、そんな思いを感じてもらえたらうれしいなと思います」

【山内瑞葵】(紀美子の親友・木村早苗役)

「1カ月間の稽古期間、最初はものすごく緊張ばかりで、毎回“木村早苗をしっかりと演じなきゃ”という必死の思いでした。でも、キャストやスタッフの皆さんにアドバイスをいただきながら稽古を重なるうちに、演じるのではなく“木村早苗として生きて演技がしたい”と感じるようになって… なので本番中は、山内瑞葵は封印です! 木村早苗として、舞台のうえ生きていけるようにがんばります!

フラダンスについては、舞台が決まる前までは深くは知りませんでした。レッスンを受けさせていただくなかで、たくさん種類があることを知って。ゆったりした動きだったり、激しい動きだったり、それがステキだなと思いました。

特にゆったりした動きでは、ひとつひとつの手の動きにも意味が込められていて、言葉ではなく手で気持ちを表現するということを知り、それがステキだなと感じました。舞台を見てくださった方にも伝わるくらい、大きな表現ができればいいなと思います」

【安田愛里】(和美役)

「はじめての大きな舞台で、右も左もわからずに関係者の皆さんにご迷惑をかけながらの稽古の日々だったのですが、たくさんのことを学べて、すごく充実した幸せな1カ月でした。こうして本番の日を迎えられたことがまだ実感わかなくて、ホワホワとした気持ちなのですが(笑)。これからの日々に向けて、しっかりと自分が演じる和美と向き合っていければと思います。

常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)には、毎年、家族旅行で訪れていたのですが、ショーも一番前から観ていたくらい好きでした。ショーを観た後に、インターネットの動画を見てフラダンスに挑戦してみようといつも思うのですが、それがすごく難しかった! それを知っていたので、今回お話をいただいたときは“絶対ムリ”と最初は不安でした。

それでも、キャストの皆さんや関係者の皆さんがたくさんサポートしてくださって、ここまでくることができました。いつものアイドル活動で見せてきた安田愛里とは違った、和美として生きた日々の集大成をお見せできればと思います!」

取材・文=野木原晃一  取材協力=千葉由知(ribelo visualworks) 

「“みんなで踊りをつくっていく”という気持ちを、心掛けて踊っていきたい」樋口日奈