1畳弱でもスッキリ片付いているパントリー

キッチンにパントリー(食品庫)をつくるプランが増えています。しかし一方で、どうやって使いこなせばいいのか悩んでいる人も多いようです。

ここでは、コンパクトなパントリーの空間を、無駄なく有効に活用する技を紹介。箱やフックを利用する収納テクを駆使した、使いやすいパントリーのつくり方を学べます。

教えてくれたのは、北欧式整理収納プランナーの安藤佳世子さん。自身のパントリーも、1畳に満たないそうですが、驚きの収納量を確保しています。

パントリーの使い方アイデア。広さ1畳弱でも、実はたっぷりしまえます

収納ボックスは100均で十分。ただし同じ色とデザインのものを!

収納ボックスは同じ色やデザインのものを使う

まず見た目をスッキリさせるには、同じ色やデザインのものを使って収納をまとめることです。収納する調味料などはパッケージが多種多様なので、そのまま収納するとまとまりがなく見えてしまいます。

筆者宅はホワイトの清潔感のある色を選び、合わせてそのほかもホワイト系でまとめました。実はこの収納ボックス、100均で購入したもの。プラスチック製のオープンボックスなので丈夫。汚れたら洗えるのもポイントです。

狭いパントリーの収納はざっくりの分類でタグ付けが基本!

パントリーの全景

大量収納のパントリーをお持ちの方なら細かく分類しても収納が足ります。しかし限られたスペースで収納するにはやはりある程度の「ざっくり」な分類で収納しないと収まりません。

あまり細かく分類せずに調味料、缶・ビン、お菓子、コーヒー・お茶などある程度の分類で収めます。そして各カゴには分かりやすくタグ付けを。筆者宅は木製タグを使用して分類していますが、シールやマスキングテープなどに文字を書いて貼ってもよいでしょう。

お菓子、麺類などは梱包袋から出してカゴに収納

またお菓子、麺類などは梱包袋から出してカゴに収納。カゴを取り出してすぐに取れるだけでなく、在庫管理もしやすくなります。

収納は使用頻度に応じて配置することが大切!

パントリーには食品を入れた収納ボックスの他にも多くの雑貨や食器などを収納しています。どのようなルールで配置すれば使いやすいパントリーになるのかご紹介します。

上段:使用頻度が低いもの

パントリーの棚の上段には使用頻度が低いものを収納

上段に置く物:夏用のみの大きな水筒やピッチャー、お客様用食器、レトルト食品や粉物(使う頻度の少ない食品)など

上段には1か月に1回使うか使わないかのもの、季節ものやおもてなし食器など出番が非常に少ないものを配置します。またお菓子づくりの道具やペーパーディッシュなどのパーティ用品など細かい物は丈夫なキャンバスバッグを利用してまとめて収納しています。カテゴリーごとにバッグを用意しておけば、実際に使う際にまとめて取り出せるのでとても便利です。

中段:使用頻度が高いもの

パントリーの棚の中段には使用頻度が高いものを収納

中段に置く物:特に食品類、ペーパーナプキンや除菌ハンドシートなど

自分の手の届く範囲の中段には毎日使うものや頻度の高いものを配置します。すぐに手に取れる位置に置くだけで家事の時短にもつながりますし、動線も便利になり快適です。実際特にラクと感じているのは、毎食使うランチョンマットやランチョンボード、お盆はこの中段に置くとかなり便利だということです。どこかに収納するというより、サッと置いて取り出せる位置にあることがストレスフリーとなっています。

下段:使用頻度が中程度のもの

パントリーの棚の下段には使用頻度が中程度のものを収納

下段に置く物:パン焼き機などの家電、お米、水、キッチン消耗品類、ドッグフード、ゴミ箱など

下段には毎日ではないけれど使用頻度が中程度のもの(週に1回や1か月に数回)、または下に置いておいた方が便利なものを配置します。重たい土鍋などの食器類も上に置くと危険なものは下段に収納しましょう。筆者宅のパントリーでは下段はフリースペースにして棚を取り付けていませんので、キッチンの消耗品を収納する収納シェルフを置いたり、ワインや水など重たいものを置いたりしています。

デッドスペースは吊るす収納で無駄にしない!

デッドスペースは吊るす収納として無駄なく活用

空間をうまく使う工夫では吊るして収納する方法もおすすめします。筆者宅のパントリーは広さはありませんが天井まで空間があるので、なるべく上まで使って無駄なく活用。この場所には小さめなバスケットを吊るしています。

バスケットは果物やお菓子を入れる際に使用。自分の背丈に合わせてカゴに届くように突っ張り棒を設置し、そこにS字フックをかけて吊り下げています。S字フックの代わりにピンチを使えば、切り取ったレシピも吊り下げられるなど、便利に活用できます。突っ張り棒は吊る下げるものの重さに合ったサイズをお選びください。

犬用のおやつと計量カップを100均のプラスチック製バーを使って吊す

また犬用のおやつと計量カップを100均のプラスチック製バーを使って吊るしています。計量カップはドッグフードの中に一緒に入れておいたのですが汚れやすいので気になっていました。

これはアルミ製のアウトドア用カップ。汚れもつきにくく計量カップにちょうどよいので、吊るして使うようになりました。おやつも毎日のものなので、取りやすい位置に置けて便利に。

少しの壁スペースも網とフックづかいの壁掛け収納で活用!

壁があったら網とフックづかいの壁掛け収納

パントリーには一見不向きに思えますが、収納場所に困っていた室内用のじょうろを壁掛けで収納しています。外用のように大きなサイズのじょうろではないので狭い場所でも収納できています。また水をあげる際にお花などを剪定するハサミも一緒に掛けたり、花を長持ちさせる薬品などもコットンバッグに入れて掛けたりしています。

この壁掛け収納に使っている網やフックはすべて100円で手に入るものなので安く収納スペースをつくることができました。壁も立派な収納場所になるので有効活用したいスペースです。

このように収納棚、デッドスペース、壁掛けなど様々な方法で狭いパントリーでも多くの物を収納することができています。また収納する配置も、自分の動きに無駄のないよう便利にすることも非常に重要です。

今まで何となく使いにくいと思っていたなら、この機会にパントリー収納を見直してください。

●教えてくれた人/安藤佳世子さん
北欧式整理収納プランナー、アロマテラピー1級。実家を二世帯住宅に建て直し「よりよい暮らし」をつくるため家やインテリア、生活について発信中

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