世界的に盛り上がっている総合格闘技に日本からもスター選手を排出するべくEXILE HIROが立ちあげた「格闘家育成プロジェクト」。そのメインコンテンツとなるのが、LDH所属の座を賭けて、様々なバックボーンを持った参加者たちが過酷なオーデイションに挑む姿を追ったガチンコドキュメント『格闘DREAMERS』だ。

(参考:【写真】スパーリングで熱く指導する那須川天心

 以下より、現在配信中の『格闘DREAMERS』episode1~3を振り返り、4月3日に配信された最新話episode4の内容をレポートする。本編のネタバレもあるため、ご注意いただきたい。

 まずはepisode1~3で配信された内容を振り返っていこう。約200人の応募者のなかから、書類審査を突破した52名によって行われた第一次オーディション。総監督を務める、元DREAMフェザー級チャンピオンの高谷裕之は「技術はもちろん、気持ちも審査する」と断言。

 面接と実戦さながらのスパーリングを見守ったのは、GENERATIONS from EXILE TRIBE/THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのメンバーから選ばれた格闘サポーターたち。なかでも数原龍友は「オーディションに掛ける気持ちは俺も同じだった」と、今回のプロジェクトに熱を入れる。

 第一次オーディションを合格した19名は2泊3日の合宿に突入した。この合宿のすべてが第二次オーディションの選考要素となる。早朝から走り込み、基礎練習、スパーリングと体力的にも精神的にも追い詰められていく参加者たち。疲労の抜けないままスタートした2日目も、前日以上に過酷なメニューが課された。夜には、実力的に劣る数人が呼び出され、高谷から「このままだと脱落」と、気合いを入れ直すことを宣告された…。

 episode4のサブタイトルは「勝敗」。“地獄合宿”の最終日、いよいよ参加者たちの明暗が分かれる瞬間が訪れる。

 朝6時に海岸に集合した参加者たちはランニングを開始。体を痛めていた安永吏成、柳田龍彌、山本歩夢の3人は参加しなくても良いといわれるが、安永だけは「やってダメだったら抜けるんで、参加させてほしい」と嘆願。ランニングに加わった。

 高谷、そしてコーチの岡見勇信はこうした安永のあきらめない姿勢を評価する。

 一方、前日の夜に脱落候補と宣告されていた八木敬志、宇佐美パトリックは、気持ちを切り替えたようで、必死にランに喰らいついていく。

 この練習後、「北海道の喧嘩師」源浩宗が、脚に炎症を起こしてしまいドクターストップが宣告されてしまう。「気持ちは折れてない」と根性を見せるが、あえなく途中離脱となった。

 次のメニューはシャドーボクシング。そこに現れたのは、RISEフェザー級チャンピオン那須川天心!参加者が驚きの表情で声も出ない中、那須川が特別コーチとして参加することが高谷から発表された。

 那須川はデビューから現在まで44戦無敗を誇り、前人未到の伝説をリアルタイムで築いている日本格闘技界の至宝。そんなスーパースターが見守るなか、シャドーボクシングをはじめる参加者たち。しかし、すぐに那須川の顔が険しくなった。

 「アップでシャドーやってる…」

 那須川は皆を集めて「シャドーはアップじゃない。自分の想像次第で、強い相手にも弱い相手にもなる。攻撃だけでなく防御も入れる。打ったらその場にいない。相手も動くから」と、対戦相手の姿をリアルに想像しながら行うことをアドバイス。このひとことだけで、参加者たちの動きは目に見えて変化しはじめた。

 それぞれペアになってのマススパーリングでは、那須川が自ら「入りましょうか」と急遽参戦。マススパーとはいえ、那須川と拳と交えるチャンスはなかなかない。参加者たちは次々と彼に向かっていった。

 その姿を見学していた、格闘サポーターの関口メンディー、白濱亜嵐、数原は「ジェネ高にきてくれたときの天心くんと雰囲気が全然違う!」と、顔色を変えていた。

 ひと通りのスパーを終えた那須川は「みんな個性もあるしスタイルも違う。僕もいい練習ができた」と満足気。「でも試合だったら、ひとり1回は倒れる場面を作ったんで」と負けん気を隠さない。

 那須川は最後に「格闘技は実力主義なので、誰よりも強くならないといけない。そのためには、誰よりも練習しなくちゃならない」というメッセージを残した。

 高谷も「めちゃくちゃいい経験になったと思う」と“天心効果”を実感していた。

 夜になり、すべての練習が終了。現場にかけつけたGENERATIONS/THE RAMPAGEのメンバーたちが、「格闘サポーター」として参加者たちに声をかける。

 最終試験はMMA(総合格闘技)ルールで行う5分2ラウンドのスパーリング。この勝敗が合否に大きく影響することは間違いない。

 コーチの岡見が「疲労もケガもあると思うけど、今回の試合はなんの言い訳もできない。強いものが勝つ」と言い切り、立ち会い人となった数原も「人生のなかで、こんなチャンスに巡り会えるの機会はなかなかない。掴むか、逃すか」と参加者たちに覚悟を問いかけた。

 ケガを負ってしまった源、山本は不参加となり、計15人で最後の闘いに挑むことなった。

 最初の組み合わせは最年少16歳の鈴木崇矢と極真空手10年のキャリアを誇る山内渉の対戦。合宿中、毎日この組み合わせで試合をしており、すでにライバルとして意地が芽生えはじめている。

 試合が始まると、長い手足を活かした打撃が得意な鈴木が猛然と襲いかかるが、山内は距離を詰めて引き込み、そのまま三角絞めの態勢に。ほんの数秒で鈴木の意識が遠のき、レフェリーストップで山内が勝者となった。

 崩れ落ちるように悔し泣きする鈴木は「これがいまの実力。絶対に強くなります」と誓った。

 第2試合は、脚を痛めながらもランニングに参加した“遅咲き九州男児”安永と、複雑な家庭環境で育ち、「自分の格闘のバックボーンはDV」と言い切る漆間將生の対決。

 漆間は前日の試合で左腕を亜脱臼していたが、安永は痛めている箇所を責めない優しさを見せた。

 第1ラウンド、ラスト30秒で機敏に動いた漆間は腕十字を決め、そのまま一本勝ちをもぎ取った。

 3試合目にエントリーされたのは、ボクシングの東洋太平洋ランカーの入口裕貴。対する柳田龍彌も元ボクサーで、13歳年上の妻と幼い息子のためにも勝利を目指す。
 
開始ともに柳田がキレのよいキックでラッシュを仕掛け、ワンツーのフックを喰らった入口がフラッシュダウン。柳田の勝利となった。

 柳田は「殺す気で行きました。足が壊れてもいいと思った」と興奮気味に語り、負けた入口は「悔しい。ボクシングだけじゃ通用しない。これが今の実力」と唇を噛み締めた。

 続いては注目の対決、中村倫也VS齋藤奨司。中村はU-23レスリング世界選手権に優勝、その経験と実力からすでにLDH martial artsと契約しているエリート格闘家。対する齋藤はボクシングを経て、大手企業に就職するも、すべてを捨てて格闘家の道へ舞い戻り、プロ修斗、RISEにも参戦しているという注目株だ。

 齋藤は面接の時点で「倫也とやりたい」と公言。「一番強いやつと戦って、勝ったら俺が一番強い」と豪語していた。

 試合は、中村が飛び込みながらのスーパーマンパンチを放ち、ひるんだ齋藤のバックを取る。腕を取る動作からマウントポジションに移行し、最後は肩固めで斉藤がタップアウト。

 「何もできなかった」と、齋藤は肩を落とした。

 5試合目は、ボクシング高校6冠のストライカー宇佐美パトリックと、レスリング国体5位、グラップラーの岡田達磨という注目のマッチアップ。

 ハーフで派手な顔立ちのパトリックに対して、自ら「目立つほうではない」と認めるいぶし銀の岡田と、性格的にも対照的なふたり。

 試合はひたすらタックルを仕掛ける岡田と、なんとか抜け出すパトリックという緊迫した展開で、観戦していたメンディーが「『うさぎとカメ』のような試合」と評する好勝負に。

 ブレイク後、出会い頭にパトリックが手で岡田の首を締めるような形でギロチンチョークを仕掛け、そのままレフリーストップとなった。

 このフィニッシュに対し、岡見が「いまのは本当は反則」と指摘。高谷は両者に確認を取り、3分のインターバルを取ってからの再戦が決まった。

 次回は、この再戦からスタートし、残る全ての対戦を放送。そして、ついに二次オーディションの脱落者が発表される。(大谷弦)

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