ロシア極東にある病院で、火災が発生した。屋根から炎が広がる病院の中では、火災直前から医師らチームにより患者の心臓手術が行われていた。
鎮火活動に尽力する消防署員らは、手術室に煙が行かないようにするなど万全の配慮を行った。そのおかげで、医師らはそのまま手術を続行。無事に手術を終えた患者を、その後安全な場所へと避難させた。『abc.net.au』などが伝えている。
ロシア極東アムール州ブラゴヴェシチェンスクにある病院で、4月2日に火災が発生した。
Восемь хирургов продолжили операцию во время серьёзного пожара в больнице Благовещенска. Операция — на сердце. И остановить её невозможно. Поэтому пожарные сделали всё, чтобы не подпустить огонь к операционной pic.twitter.com/RktHriw21y
— Лента.ру (@lentaruofficial) April 2, 2021
駆け付けた消防士たちは、古い病院の建物の屋根の上から炎が上がっているのを見て、すぐに消火活動を行った。
病院内にいた128人が安全な場所へと避難したが、この時、建物の1階の手術室では火災発生直後から1人の患者への複雑な心臓バイパス手術が行われていた。
消防士らは、電気換気装置を使用して手術室に煙が入り込むのを遮断し、緊急電気ケーブルを差し込んで、8人の医師と看護師チームが手術を続行できるよう万全の配慮に努めた。
2時間かけて手術は無事成功
2時間以上かけて消火活動が行われた中、手術も鎮火とほぼ同時に終了した。幸いにも、医師らは患者への手術を無事成功させた。RUSSIAN DOCTORS COMPLETE SURGERY AS HOSPITAL BURNS
LOOK: Doctors and nurses stayed behind to complete an open heart surgery at a burning clinic in Blagoveshchensk, Russia on April 2.| 📷Press Service of the Governor of Amur Region/Russian Emergencies Ministry/Handout
— Inquirer (@inquirerdotnet) April 3, 2021
via Reuters pic.twitter.com/MdGSKNukId
その後、患者は一旦安全な場所へと避難させられ、更なる治療のために別の病院へと移送されたという。
この病院は、地域で唯一の心臓専門医のいる病院だそうだ。今回の手術を担当した主任外科医のバレンティン・フィラトフ医師は、「患者の命を救うため、できる限りのことをした」と後の取材で述べている。
ロシアの非常事態省は、後日この火災について「病院は帝政時代の1907年に建てられ、木製の天井から稲妻のように炎が広がった。負傷者は報告されていない」と発表。はっきりとした原因は今は特定されていないが、漏電の可能性が高いとみられている。
なお、医師ら手術チームのプロ意識と、消火活動に尽力した消防士らの活躍を知ったアムール州ヴァシリー・オリロフ地方知事は、「彼らの行いは名誉賞に値する」と称賛している。
written by Scarlet / edited by parumo
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