結婚前に同棲すると、互いの長所、短所がわかってよいという説がある。だが逆に、「この人とは結婚できそうにない」と、結婚を諦めてしまうこともあるだろう。「教えて!goo」にも、「結婚前に同棲はしたほうがよい?」と質問が寄せられていたが、実際、結婚生活の予行練習としての同棲は有効なのだろうか。恋愛コンサルタントの杏奈薫さんにアドバイスをもらった。

■メリットはあるのか?

まずは、結婚前に同棲はしたほうがよいのか率直に聞いた。

「同棲に関するデータを調べると、『5人に1人は同棲経験がある』、『同棲経験者の7割以上が同棲相手と結婚している』、『同棲経験のある人は離婚率が2倍以上』など、さまざまです。これを見ても円満な夫婦関係や結婚生活のために、同棲をするかしないかは重要ではないことがわかります」(杏奈さん)

とはいえ、「同棲にメリットはあります」と杏奈さん。

「一番のメリットは一緒にいられる時間が増えることですが、『結婚生活の予行練習になる』、『生活費の負担が軽くなる』、『家事の分担や助け合いができる』といった声もあります。『結婚を前提として』とか『ただ一緒にいたい』など、互いの同棲の目的が一致していればメリットは多いでしょう」(杏奈さん)

おすすめできないのは、曖昧な気持ちで同棲をはじめることとか。

「『同棲すれば相手が結婚する気になってくれるかも』、『同棲してみて嫌になったら別れよう』といった曖昧な状態からスタートすると、その後の進展が難しく結婚を遠ざけてしまうことがあります」(杏奈さん)

“お試し”という軽い気持ちで同棲すると、上手くいかない場合もあるとのこと。

■同棲を結婚へのステップにする秘訣

実際、同棲してみて「結婚は無理かも……」と気づけたら、不幸中の幸いと捉えるべきか。

「『結婚は無理かも……』という見解が一致しない場合は、簡単に前向きには捉えられませんよね。とはいえ、同棲や結婚を境に急に支配的になったり、お金や生活がルーズになる人がいますので、豹変する相手を見抜く機会になった場合などは、気づけてよかったといえるでしょう」(杏奈さん)

だがどんなに好きな相手でも、長く一緒にいれば生活習慣や価値観の違いがストレスになることもある。

「同棲してみて『嫌だったら別れる』、『ストレスにならない相手か見極める』というスタンスでは、いつまでも結婚できないでしょう。しかし我慢ばかりでは、いつかストレスが爆発してしまいますね。同棲や結婚生活において一番重要なのは、『価値観の違いを受け入れること』、『お互いストレスを受けにくい方法を見つけていくこと』です」(杏奈さん)

たとえば、どのようなことだろう。

定期的に話し合う、相手を尊重するため距離感を大切にする、第三者の協力を得るなど、無理のない方法を見つけましょう。そういった互いの心がけが、円満な関係性を持続することに繋がります」(杏奈さん)

長く一緒にいてもストレスを感じにくい状況を作ることができれば、「この人となら結婚しても幸せになれそう」と、結婚生活を現実的にイメージできそうだ。

■同棲するか判断に迷ったら……。

結婚を前提に同棲するか迷ったときの“チェック事項”を教えてもらった。

「まずは、『同棲に関する価値観にズレがないか』です。相手が、同棲を結婚前提と捉える人か、相性チェックや単なる恋愛の延長と捉える人かを見極めましょう。前者の場合は結婚に繋がる可能性が高いですが、後者の場合は結婚を遠ざけることがあります」(杏奈さん)

結婚願望の有無も確認しておきたいポイントだそう。

「同棲して結婚した人は、同棲前から結婚の意思があったことが多く、『結婚願望はなかったのに同棲したら結婚したくなった』というケースは稀です。男性は特に、結婚願望はあっても『仕事が落ち着いてから』など、ビジョンが明確な人が多いです。相手の考え方にも寄り添い、『同棲すれば相手にも結婚願望が芽生えるはず』といった見切り発車はしないほうがよいでしょう」(杏奈さん)

結婚前の同棲は、互いの目的や価値観にズレがなければ多くのメリットをもたらすことがわかった。これから同棲をはじめるという人は、今回のお話を踏まえ、互いに尊重、配慮のない同棲生活は、結婚を遠ざける可能性があることを肝に銘じておこう。

●専門家プロフィール:杏奈 薫
草食系恋愛コンサルタント。4歳から恋愛オタク。不登校を経て、劇的なモテ体質へ変化した経験を活かし、1回のコンサルティングで恋人ができる人が続出中。FacebookやTwitter、YouTube、Instagram、アメブロ、clubhouseで、「杏奈薫」と検索するとフォローが可能。テレビ番組「MATSUぼっち」などにも出演。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)