女優の富司純子とシム・ウンギョンが9日、都内で行われたダブル主演映画『椿の庭』の初日舞台あいさつに共演の鈴木京香、上田義彦監督とともに出席。富司がシムと鈴木との共演を「本当の家族のようで楽しかった」と振り返った。

【写真】笑顔を見せる富司純子、シム・ウンギョン、鈴木京香 映画『椿の庭』初日舞台あいさつ

 本作は、椿が咲き誇る1軒の家に住む絹子(富司)と、彼女の娘の忘れ形見である渚(シム)、そしてそこを訪れる人々の1年間を、所作やたたずまいなどの美しい映像と共に描く物語。絹子の次女の陶子を鈴木が演じる。

 新型コロナウイルスの影響で公開が延期されていた本作。富司は「ずっと待っていて、やっと今日、こうして温かいみなさまの前で初日を迎えさせて頂きました。本当に幸せです」と感無量の様子を見せた。富司は本作を「本当に繊細で素晴らしい映像」と絶賛し「私にとってはこれが最後の宝物になるんじゃないかなと思っているくらいうれしい映画でした」としみじみ語った。

 撮影の思い出を富司は「本当に毎日が楽しくて、1年間を通して撮って頂いたのですが、今顧みてもあっという間に終わってしまった、という感じがします」と回顧。続けて「素晴らしいお家で、娘の京香さん、孫のウンギョンさんと一緒に芝居させて頂いて、本当の家族のようで本当に楽しかったんです」と楽しい撮影だったことを明かした。

 本作が日本映画として初の撮影となったシムは「初めての日本映画の現場だったし、日本語のセリフもあったので、自分がどういうふうに演じればいいのか少し悩みもありました」と吐露しながらも、監督や富司、鈴木が温かく見守ってくれた、と感謝。また「演技プランがなくて、そのまま現場を感じながら撮った作品。ドキュメンタリーなのかお芝居なのか曖昧なところを見せられればいいな、と思って撮影した作品でした」と振り返り「『椿の庭』という作品がなかったら、今の自分はいないと思っています」と熱く語った。

 鈴木は富司との共演について「私の中で理想の女性像がものすごく高いイメージになりました。富司さんのように時間を重ねていけたらいいな、と思うのですが、それがあまりに理想的で素敵すぎて、どうやったらそうなれるんだろう?と」と富司への憧れがより強いものになったことを告白。シムについては「新しい世界にひとり飛び込んでいく渚の姿が重なって、切ないぐらいにきれいでした」と絶賛した。

映画『椿の庭』初日舞台あいさつの様子  クランクイン!