新たな“迷”解説の誕生だ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ・第1試合、チーム藤井とチーム稲葉の対戦が4月10日に放送されたが、この試合の解説を務めた井出隼平五段(29)が独特なワードセンスを披露。息詰まる超早指しの熱戦が続く中で、視聴者たちを爆笑の渦へと誘った。

【動画】井出隼平五段が生んだファン爆笑の「語録」(2時間1分30秒ごろ~)

 井出五段は「イデオン」の愛称でも親しまれる棋士で、プロ入りは2016年4月。若手棋戦の加古川青流戦で優勝経験もある一方、大盤解説を務める際にはユーモア溢れる言葉選びで人気を誇っている。昨年の大会では藤森哲也五段(33)が「体力が無限」「パワープレス」など、普段将棋界では聞かれない言葉を巧みに使った“実況”で、「藤森語録」としても話題に。井出五段による解説は、この時を彷彿とさせるものだった。

 まずは旧知の棋士、高見泰地七段(27)についての解説から。粘り強い棋風について「妖術の高見さんですからね。死んだふりがうまいんですよ。私も何度も逆転負けしました。あの『くねん』ってなっているのに、騙されちゃうんですよ」と、劣勢になって体勢が崩れた様子に油断してはいけないと、過去の経験から語りだした。

 続いて飛び出したのは、まさかの“解説放棄”だ。高見七段と久保利明九段(45)が拮抗した局面を迎えたところ、聞き手の飯野愛女流初段(34)が「後手はどう対応するのが…」と訪ねたところ、答えはなんと「知りません」。さらには「これがわかれば苦労しないんですよ」と、すっかり対局者の気持ちになっていた。

 同じ一局で、今度は強烈なワードが飛び出した。「盤面破壊」だ。高見七段のうまい指し回しによって、久保九段がどうやっても王手飛車を食らう展開になると「王手飛車だらけ。絶対王手飛車じゃないですか」と頭を抱えんばかりに声を張ると、さらには「これ、私だったら盤面破壊したくなりますよ。いやー、これは耐え難い…」と、まくしたてた。

 さらに棋士まで笑わせたひと言がある。伊藤匠四段(18)が船江恒平六段(33)を攻め立てる中で、2ニ歩という手が見えると「痒い。痛い寄りの痒いですね」と、微妙なニュアンスを痛みと痒さで表現。これを見ていた棋士からは「ふふふふふ」と、思わず笑みがこぼれていた。

 この言葉の数々に、多くの放送対局を見てきたファンも大満足。「イデオンの解説ファンになった」「とにかく素直なイデオン素敵」「知りません笑う」「破壊するなwww」など、盛り上がりがいつまでも続いていた。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)
「知りません」「私だったら盤面破壊」「痛い寄りの痒い」解説・井出隼平五段の“語録”で視聴者が爆笑続きに/将棋・ABEMAトーナメント