その結果、働きアリよりも、働きアリの労働にただ乗りする、働かないアリの生存率の方が高いことを突き止めたそうだ。
個人の利益を最優先させると、グループ(社会)の利益は損なわれる。逆にグループの利益を最優先させると、個人の利益は損なわれていく。グループにおいて、グループの目標を達成するために協力するか、自分の目標を達成する為に非協力的な行動をとるか、どちらかを選べばどちらかが犠牲になる。これは「公共財ジレンマ」と呼ばれるもので、今回の研究により、人間と微生物以外での初めて発見となったそうだ。
研究チームがアミメアリを使い実験を行ったところ、良く働くアリの中に、まったく働かず、産卵ばかり行うアリが交じっていることを発見した。それらは働きアリとは遺伝的に異なる系統に属しているという。働かないアリは、働きアリによる助け合いの利益に、タダで便乗しているだけだ。
働きアリは、働かないアリの分まで巣の外に出て働かなければならない。その為「過労死」しやすく生存率が下がる。一方、働かないアリは働きアリよりも多く子どもを産むが、その子どもは親と同様に働かない。だが、働かないアリのみの社会では、子孫を残すことはできないという。
自由競争の下では相手からの助けにタダ乗りし、利益を得た方が得であるにもかかわらず、助け合いの社会が発生することについて、この研究を率いた辻教授は、自然科学と社会科学の両分野で重要なテーマと指摘する。
「アリ社会において助け合いがなぜ生じるかを理解することが、ヒト社会の助け合いをより深く理解することにつながる」と研究の意義を強調したそうだ。
確かに、人の分まで働くより遊んで暮らした方が楽だ。なのに働きアリは、サボっているアリを横目に一生懸命働く。過労死するほどまでに働く。いったいこれはなぜなのか?研究によると、働きアリと、働かないアリは遺伝的に異なる系統だったということだから、働くことでテンションが上がる物質とかが分泌されやすい体質とかなのかな?よくわかんないけども、人間でも仕事に生きがいを感じている人もいるし、一家の大黒柱は、身を粉にして家族の為に働くわけだし、またしてもここに進化論的な何かが隠されているのかな?
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