街なかで見かける感応式信号機には、時々「半感応式」と表示されているものがあります。これはどういう意味なのでしょうか。また「半」があるなら「全」もあるのでしょうか。

軽車両などのために押しボタンがあることも

道路の信号機には、車両の有無を感知して青信号を表示する「感応式」の信号機が存在しますが、中には「半感応式」と表示されたものもあります。この「半」とはどういう意味なのでしょうか。

そもそも感応式信号機は冒頭で触れた通り、車両を感知しながら制御する信号機のことです。交差点の全方向にセンサーがついており、「どの方向にどれくらいの車両が流れているか」を感知し、一定の範囲で青が表示される割合を調整しています。複数の交差点を含めた路線全体の交通量をもとに、各交差点信号機を制御する場合がほとんどです。

これに対し「半感応式」は、交差点に交わる道路の「一方のみが感応式」と言い換えることができます。交差点単体で、交わる道路のうち交通量が多い方を「主道路」、少ない方を「従道路」と捉え、従道路側にのみ車両を感知するセンサーがついているものです。このメリットは従道路に車両が来ない限り、主道路の交通流を止めずに済む点です。

交差点に差し掛かった従道路側の車両は、しっかりと停止線の直前で停止する必要があります。理由はそのすぐ上空にセンサーが設置されているため。停止位置がずれていると正しく感知されず、待てど暮らせど青信号にならないことも考えられます。

なお、軽車両や歩行者などはセンサーで感知されにくいため、専用の押しボタン箱が併設されていることもあります。

ところで、「半」感応式があるなら「全」感応式はあるのでしょうか。結論をいうと存在します。前出の感応式のうち、一定の範囲で青が表示される割合をその交差点だけで調整する信号機です。ただし、数は多くありません。

感応式信号機であることをドライバーへ示すかどうかは、各都道府県によってまちまちです。「感応式」のほか「感知式」や「閑散時半感」などと表示する地域もあります。一方、東京都神奈川県などは感応式信号機であっても表示がありません。また、半感応式であっても、その厳密な使い分けはドライバーにとってはさほど重要ではなく、単に「感応式」と表示されることもあります。

停止線でしっかり停車しないとセンサーに感知されず、青信号にならないことも(画像:Google)。