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自分を犬だと思い込んでいる羊

 通常羊は群れで暮らす。しかし、イギリスの農場にいる羊は、自分を犬だと思っているふしがあるという。

 生まれて間もなく母親から育児放棄され、群れから拒絶されてしまったため、農場の経営者が7匹の飼い犬がいる環境の中に置いたところ、犬のようなふるまいをするようになったという。

 とは言え生物学的には羊なので、犬には完全になり切れていないのだが、いっぱしの犬として行動するその姿は、家族のみんなの笑顔を誘うという。

【母親に捨てられ群れから拒絶されてしまった羊】


Happy Sheep Thinks She's A Dog

 イギリスのカンブリアにある農場で、羊のベラが生まれたのは2年前のこと。しかし、ベラは母親から育児放棄され、群れの複数のメスからも拒絶されてしまった。

 そこで、農場経営者のジリー・チッペンデールさんは、赤ちゃんだったベラをひとまずポニーのいる馬小屋へ移した。その後、自宅に入れて飼い犬7匹と飼い猫1匹のいる環境の中で飼育してきた。

自分を犬だと思い込み、犬っぽい仕草をするベラ

 多くの犬に囲まれて育ったベラは、群れの羊が学ぶ多くのことを失った代わりに、自分は犬だと思い込み、犬の振る舞いを真似するようになったという。

時に猫っぽい仕草もするようだ。

 ジリーさんは、ベラについてこのように話している。

ベラは、自分のことを羊だとは思っていないようです。牧羊犬に追われる羊たちの姿を遠巻きに見ているベラは、羊たちが近寄ってきたりしても、怯えて逃げ出してしまいます。

羊の群れが来ると逃げ出すベラ

犬たちと一緒に散歩に出かけ、玄関先でも「中に入れて」と待っている姿はちょっぴり笑えます。

ベラは、最近になって散歩時に外で放牧することを覚えたのですが、それまでは庭の芝生の草を食べる程度で、どちらかというと犬用のビスケットを好んでいます。

散歩時には、時に犬のように歩行者を追いかけたりして、人を驚かせることもありますよ。今では、犬や猫たちととても強い絆を結んでいます。

 ジリーさんによると、ベラのように生まれてすぐに母親や群れから拒絶される羊は、決して少なくないという。実際に、1000頭以上の羊を飼育しているジリーさんも、そうした状況を何度も見て来たそうだ。

 ベラはもう群れに戻るのは難しいだろう。だが、犬や猫たちと一緒に暮らしていく生活が、ベラにとっては一番幸せなのかもしれない。

 
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羊の犬化。母親から育児放棄された羊、飼い犬と一緒に育てたところ自分を犬だと思い込むように