大阪メトロ御堂筋線難波駅我孫子駅中百舌鳥駅はもっぱら、ひらがなだけで表記されます。かつては「難波」と漢字表記で、現在も漢字が正式。なぜ変わったのでしょうか。このほか「ひらがな+漢字」の駅にも理由があります。

なんば、あびこ、なかもず…

大阪メトロの「なんば」駅はもっぱら、ひらがな表記で案内されますが、本来は漢字表記の「難波」が正式で、乗車券面も漢字で記されています。御堂筋線ではほかにも「あびこ」や「なかもず」といった、ひらがな表記の駅が見られます。

実は「なんば」駅、看板やホームの表記も、かつては「難波」でした。

その一方、かつては御堂筋線難波駅の西側に並行して、四つ橋線の「なんば元町駅」(正式にはこちらも「難波元町」と漢字表記)がありました。同駅は1965(昭和40)年から5年間存続し、1970(昭和45)年、御堂筋線四つ橋線をつなぐように千日前線の駅が難波にできると、なんば元町駅もひとつの駅として統合され、そのとき案内上の表記が「なんば」に統一されたといいます。

大阪メトロによると、以前から漢字の「難波」は読みにくいとの声があったとのこと。ちなみに「あびこ我孫子)」駅と「なかもず(中百舌鳥)」駅は、前者が1960(昭和35)年、後者が1987(昭和62)年の開業ですが、どちらも同様の理由で、当初からひらがなで案内されていたそうです。

一方、2006(平成18)年に開業した今里筋線には、ひらがなと漢字が混ざった「だいどう豊里」駅があります。この「だいどう」は地名に由来しますが、地元で「大道」と「大桐」の表記があるため、ひらがなにしたということです。

御堂筋線の30000系電車(画像:photolibrary)。