日本人は「仕事」より「余暇」を重視しているが、働くことは大切にしたい―。メディアや社会心理学を研究している同志社大(京都市)の池田謙一・社会学部教授の研究室と、電通グループ東京都港区)社内組織の電通総研が実施した「世界価値観調査」で“日本の九つの特徴”が浮かび上がり、このほど発表した。

 調査は、世界の延べ100以上の国・地域を対象に個人の価値観を聞いたもので、政治観、経済観、教育観、家族観など290項目についての回答を分析し、国・地域ごとの価値観の違いを明らかにする研究だ。1981年から始まり、今回が7回目。調査は2017年から2021年にかけて実施し、集計可能な45~77カ国・地域のデータランキング形式で分析した。

 九つの項目は「仕事」「ジェンダー」「自由の価値」「メディア」「科学技術」「政治」「環境vs経済」「家族」「次世代」。

 「仕事」については、日本は「余暇時間が減っても常に仕事が第一」という考えに「反対」という意見が77カ国・地域中で2位と、「余暇」を重視していることがうかがえた。「仕事が重要だ」も71位と下位だった。一方「働くことがあまり大切でなくなる」という考えを「良いこと」という回答が74位と低く、「働くこと自体は大切にしたい意識がうかがえる」と分析している。

 日本は「ジェンダー」では、同性愛に対する受容度が75カ国・地域中18位と欧州など先進国に続いて比較的高かったという。「自由の価値」の中で「人生は自由にならない」という回答が日本は77カ国・地域中6位で、日本人は人生の自由度が低いと感じているようだ。

 「メディア」は、「新聞・雑誌を信頼」が日本は77カ国・地域中4位、テレビも48カ国・地域中8位とマスメディアに対する信頼感が比較的高いことも分かった。「新聞やテレビニュースから毎日情報を得ている」は48カ国・地域中で1位だった。

 調査期間が新型コロナウイルス感染の世界的に拡大していた時期と重なったが、77カ国・地域のうち66で感染拡大前の2019年に実施済みだったことから「コロナが調査に与えた影響は限定的と言える」としている。

イメージ