数秒単位のリズムに応じて行動できる“リズム感”は、人間など脊椎動物だけでなく昆虫のハエにもあり、人間と同様、老化によってハエのリズム感も狂う――東北大学4月12日、こんな研究結果を発表した。

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 リズム感とは、繰り返しやってくる音や刺激のリズムを正確に把握し、それに同調して筋肉を動かすこと。動物が身振りで示す求愛行動や人間の音楽の演奏など、秒単位のリズムに応じた行動は、哺乳類をはじめとする脊椎動物では広く観察されてきたが、無脊椎動物ではほとんど報告されていなかったという。

 研究グループは今回、ショウジョウバエが数秒単位の時間を正確に計測でき、リズムに応じて行動できることを発見した。

 一定時間間隔で刺激を繰り返し与え、刺激間隔に応じた条件反射を測定する「時間条件付け」という方法を使って、ハエの足の接地部位に、例えば、2秒間隔で電気刺激を繰り返し与えると、最後の刺激の2秒後に、刺激が無いにも関わらず、飛んだり歩いたりして逃げる行動が見られたという。

 人間のパーキンソン病など、加齢に伴って発症率が上がる運動障害では、数秒間隔のリズムを刻む動作が不正確になることが報告されているという。

 今回、異なる日齢のショウジョウバエに時間条件付けを行ったところ、飛翔による逃避行動のリズムが、加齢に伴って歩行に代わり、老化したハエではリズムが見られなくなったという。

 研究グループは「老化による計時機能の低下が脊椎動物と無脊椎動物で共通していることから、数秒間隔の『リズム感』は進化の早い段階で獲得した生物の機能だと示唆される」と結論付けている。

 研究結果は、4月1日付で英科学誌「Journal of Experimental Biology」に掲載された。