従来のメガネを機能面で大きく拡張したスマートグラスは、今や一大市場となったスマートウォッチに続く次のブームとして注目されている。黎明期は技術的な制約とコスト面の課題に悩まされてきたが、Vueが発表した約2万円からの「Lite」シリーズは、スマートグラスの一般化を加速させる上で重要な起爆剤になるかもしれない。

指向性スピーカー・マイクを搭載

視界に広がる仮想スクリーンにロマンを感じる人は多いが、それが必ずしも役に立つとは限らない。Vue Liteが搭載するのは極めて実用重視の機能だ。

メインは、左右の柄に仕込まれた指向性スピーカー。「Vue Pro」のような骨伝導システムではなく、直接音を鳴らす方式なので、音の迫力に期待してはいけない。むしろ想定される場面は、移動中の通話や、周囲の環境に身を委ねながら音楽を聞きたい場合だろう。テンプルにはタッチコントローラーも含まれており、音楽再生、通話の応答ほか、音声アシスタントの起動もできる。

ファッショナブルなデザイン

眼鏡入れをスタイリッシュな充電ケースにするのも面白いが、Vue Liteは左右のテンプルにマグネット式の接点を設け、ここから直接充電する方法を採っている。1時間の充電で目安4時間の連続使用が可能で、待機時間は1日に及ぶという。

テックのイメージが強いスマートグラスにおいて、ファッション性に優れたVue Liteのラインナップは奇抜に映るかもしれない。重さも約24gと軽く、普通の眼鏡として必要十分なスペックを備えている。

ラインナップはCygnus、Orion、Lyraの3種類。クラウドファンディングサービス「Kibidango」より応援購入が可能で、2021年6月3日まで支援を受け付けている。

PR TIMES

(文・九条ハル)