Netflix機動戦士ガンダムを実写映画化すると発表した。あわせて、アメリカの映画制作会社レジェンダリー・ピクチャーズと映画監督のジョーダンヴォート=ロバーツ氏が携わることも発表されている。

 機動戦士ガンダムは、1979年から1980年に放送された日本サンライズが制作し、富野由悠季氏(制作時は富野喜幸)が総監督を務めた日本を代表するロボットアニメ。劇中にモビルスーツと呼ばれる巨大なロボット兵器が登場し、この新型モビルスーツガンダムに乗り込む少年アムロ・レイを主人公として、地球の連邦政府に反旗を翻したジオン公国との戦いに挑んでいく。
 以後、このモビルスーツガンダム」を共通アイコンとして、さまざまな世界観、主人公を背景にガンダムシリーズが展開されている。

(画像はdアニメ『機動戦士ガンダム』より)

 Netflixはこの機動戦士ガンダムを長編実写映画化すると発表。ハリウッドゴジラシリーズを手掛けているアメリカの映画制作会社レジェンダリー・ピクチャーズと、キングコング:髑髏島の巨神を監督したジョーダンヴォート=ロバーツ氏が監督と制作として携わる。

 本件のプレスリリースでは、アメコミの脚本家ブライアン・K・ヴォーン氏が脚本とエグゼクティブ・プロデューサーを担当。また映画名探偵ピカチュウを制作したケイル・ボイター氏も本作に携わっているとのこと。

 初代機動戦士ガンダムのような「宇宙世紀」を背景としているのかは不明で、数ヶ月以内に続報が明かされる予定だという。

 なお海外でのガンダムシリーズでの展開は、初代機動戦士ガンダムこそ1980年イタリアで放送しているが、英語圏には進出していなかった。1998年にアメリカで、映画機動戦士ガンダム機動戦士ガンダムII 哀・戦士編機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編の英語字幕付きVHSが発売。その1年後には英語吹き替え版も登場した。ただしこの時点は人気があったわけではなかった。

(画像はdアニメ『新機動戦記ガンダムW』より)

 転機が訪れたのは2000年にアメリカのカートゥーンネットワークで放送された新機動戦記ガンダムW。幅広い世代で大きな人気を獲得して、初めて『ガンダム』シリーズをアメリカで普及させることに成功した。さらに2004年から2005年にかけての機動戦士ガンダムSEED、2008年に機動戦士ガンダム00が放送され、こちらも成功を収めている。
  日本のポップカルチャーの関心の高まりと関連してスティーブン・スピルバーグ監督のレディ・プレイヤー1ガンダムが登場したことも記憶に新しいだろう。

 今回の実写映画版ガンダムは、Netflixが展開する世界中の国でも配信される予定だ。どのように日本のポップカルチャーの象徴のひとつであるガンダムが、どのように世界に羽ばたくのか要注目といえそうだ。

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ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman