どんなに愛情を注いで世話をしていても、愛犬との別れは必ず訪れる。愛犬の寿命を悟った旅好きの夫婦は、歩けなくなってしまった愛犬専用の可動式ベッドを作り上げ、大好きなビーチに連れて行った。1週間滞在して存分に海風を満喫した犬は、2か月後に息を引き取ったという。『FOX 35 Orlando』などが伝えている。

ジョージア州在住のトム・アントニオさん(Tom Antonino)とローレン・アントニオさん(Lauren Antonino)は、チェサピーク・ベイ・レトリーバーの“ココアCocoa)”を子犬の時から飼っており、一緒にたくさんの場所へ旅行に出かけた。

ココアは外に出かけるのが好きで、私達がよくビールを飲みに行くお店の音楽を聴くのも大好きでしたね。家では他の飼い犬の“キンバル(Kimbal)”と“マチャ(Matcha)”、そして私達の子どもが飼っている“フランキー(Frankie)”とともにバルコニーや芝の上に座っているのもお気に入りでした。」

そう話すローレンさんだが、ココア16歳と人間で言えば約80歳の高齢となり、昨年の8月から歩くことができなくなってしまった。

「歩けなくなってしまいましたが、ココアは痛みを感じることは無いようだったので、大好きなお出かけに連れて行ってあげられないのは辛いと思ったんです。そこで横になったままでも移動できる台を用意しようとトムが思い付きました。車を修理する時に滑るようにして車の下に入るような台です。」

トムさんとローレンさんはその台の上にベッドを乗せ、ココア専用の可動式ベッドを完成させた。

そして今年の1月、よく一緒に訪れていたというバージニア・ビーチにココアを連れて行くことができた。「ココアはベッドに横になっていても頭を上げて海の風を感じ、人々や他の犬が遊んでいる様子を見て楽しんでいました」とローレンさんは振り返っている。

バージニア・ビーチ周辺に住んでいるというキャリー・コーペンヘイヴァーさん(Carrie Copenhaver)は、ココアの特製ベッドを目にして思わずトムさんとローレンさんに声をかけたという。

経緯を聞いたキャリーさんは2人のココアへの愛に溢れた行動に感動し、このストーリーをFacebookでシェアした。すると「これこそが愛だ」「思いやりの心に涙が出た」「ココアも本当に嬉しそう」「素敵な関係だ。16年の愛と絆が生み出したんだね」などのコメントが殺到した。

トムさんとローレンさんはココアとともに1週間ほどバージニア・ビーチに滞在していたと言い、「トムは1週間で10万歩も歩いていました。犬にとって散歩がどれだけ大切なものであるかを理解しているのです」とローレンさんは話している。

トムさんとココアの散歩風景はバージニア・ビーチで注目を集めたそうで、話を聞いたレストランが感動してトムさんにランチを、ココアにおやつをご馳走したという。

トムさんやローレンさんとビーチを満喫したココアは先月5日、たくさんの思い出を胸に息を引き取った。

「多くの思い出を作ることができ、ココアには本当に感謝しています。ココアがいなくなってしまい寂しいですが、16年も一緒に過ごすことができて幸せでした。できるならもっと一緒にいたかったのですが、神様には他にプランがあるようですね。」

「私達とココアの話が拡散されたことはとても嬉しいです。今となってはココアはスターですよ。」

そう明かしたローレンさんは、最後にココアと大きな思い出を作ることができた喜びを噛みしめている。

画像は『FOX 35 Orlando 2021年4月10日付「‘This is a simple story about love’: Couple makes mobile bed to take elderly dog on walks in final months」』『Carrie Copenhaver 2021年2月27日付Facebook「A couple of weeks ago Mike & I were riding our bikes on the boardwalk & came across this sweet soul walking his beloved golden.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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