「25分間にわたって熱弁を振るう姿は、新商品を発表する民間企業の社長のようでした」

 野党担当の記者がそう評するのは、4月2日の党大会で壇上に立った国民民主党玉木雄一郎代表(51)のこと。玉木氏は「我々の目指す方向性を紹介したい。昨年の結党時のものを進化させたが、完成型ではない。国民の声を聞いて磨き上げたい」と強調し、右へ左へ歩きながら大型画面に示された党の政策を紹介した。ユーチューブ配信を見る有権者を意識したスタイルのようだが、「玉木氏がただ目立ちたいだけのプレゼンだった」(前出・記者)。

 旧立憲民主と旧国民民主の合流の際、立憲行きを拒んだ議員らが昨年9月に作った新国民民主党だが支持率は1%にも満たない。立憲・枝野幸男代表の独裁を嫌っただけで集ったメンバーゆえ、バラバラ感が強い。岸本周平選挙対策委員長が「相手は象、こちらは蟻。相手候補が決起大会を開く時は、会場の前で1人で立って欲しい。2000人いても嫌々来ている動員も多い。3~4割は必ず票が取れる」と、どぶ板選挙のススメを説いたかと思うと、山尾志桜里広報局長の「朝の街頭には立てなくても委員会での質問にはきっちり立つ。地域行事のあいさつよりも国会での演説に魂を吹き込む」とどぶ板を拒絶するかのような動画が流れる。

「その程度のバラバラ感はまだかわいい。参院長野補選の騒動は目を覆いたくなるほど」(党関係者)

推薦をめぐり二転三転した挙句、玉木氏は……

 国民民主が推薦する立憲の新顔、羽田次郎氏が共産党と日米同盟見直しや原発ゼロを含む政策協定を結んだことが判明したところ、連合が反発。特に共産を嫌う民間労組の支持を受ける議員が多い国民民主が、推薦を取り消す可能性が浮上した。その後、立憲側は「党本部は協定に拘束されない」として、連合幹部や国民の岸本選対委員長と裏で落としどころを探り、国民民主は一転、推薦を取り消さない方向になった。

 だが二転三転4月1日に玉木氏が突然、推薦撤回を表明。はしごを外された形の岸本氏は「もう選対委員長を辞めたい」と怒り狂い、2日の党大会でも浮かぬ表情で嘆息していた。連合に近い関係者は「この騒動で次の衆院選に向けた立憲と国民の野党共闘にヒビが入った。仮に自民党がある程度、議席を減らせば、国民民主に連立を呼びかけるかもしれない。玉木氏も『大臣になれるなら』と連立提案に飛びつきかねない」と漏らす。

 政治部デスクは「目立ちたがり屋で権力欲の強い玉木氏が引っ張る国民民主は彼の個人商店のよう」と指摘する。「目立ち玉木屋」に党名を変えてはどうか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年4月15日号)

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