回顧録「The Beauty of Living Twice」が発売され、プロモーションのため多数のメディアに登場しているシャロン・ストーン(63)。同著のなかだけでなく、オプラ・ウィンフリーのトークショー「Super Soul Sunday」など数々のメディアインタビューでも驚きの過去を暴露しているが、この程「The Sydney Morning Herald」のインタビューで、女優業の引退を示唆している。

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ハリウッドでは、男性に意見したり、自分の主張をする女は嫌われるんです。私は嘘を言える能力がないし、ついつい正論を言ってしまうから、業界内で『気難しい』というレッテルを貼られてしまいました。確かに私自身に問題がなかったわけではないのですが」。

「年齢的にキャスティングが難しいというのもあるし、役をもらえないんです。エージェントから見放されてしまったし、今後新たにエージェントを見つけるかもしれませんが、永久的に女優を引退することになるかもしれません」。「でも悔いはないです。シャロン・ストーンを演じるのも大好きだったけれど、もう十分やることはやったと思いますし、いまは自分自身でいられることもとても快適ですから」と語っている。

シャロンは、自身を一躍スターダムに押し上げた『氷の微笑』(92)の有名な脚を組みかえるシーンで、騙されてショーツを履かずに撮影に挑んだこと、共演者とスクリーンでリアルな化学反応を生み出すため、実生活での性交渉を勧められたことも明らかに。

さらに2001年、脳出血と脳卒中を発症し、病院で良性腫瘍を取り除くため胸にメスを入れた後の再建手術の際に、合意なしに勝手に豊胸手術をされていたこと、ほかにも、『クイック&デッド』(95)で当時まだ21歳だったレオナルド・ディカプリオを出演させるために、スタジオのトライスター・ピクチャーズと闘い、自腹でギャラを払ったことなど業界の闇を暴露した。しかし、「皆、誰がそういうことをやる人間かわかっていますから、あえて私が名前を暴露することはない」という。

また私生活では、妹のケリーとともに母方の祖父母に部屋に閉じ込められ、祖父から性的虐待を受けていたことも告白。その苦しみから解放されたのは、シャロンが14歳、ケリーが11歳の時、祖父が亡くなってからだったという。

今回の回顧録で明らかにした話は、女優引退を視野に入れた並々ならぬ覚悟を持っていたからこそできたのだろうと思われるものばかり。また新型コロナウイルス感染拡大のパンデミックで、祖母とゴッドマザーをコロナで亡くしているほか、妹のケリーとその夫ブルースも一時、コロナ感染で生死をさまよう状況に陥っていたことも、シャロンの人生観を大きく変えたようだ。

55歳の時に、「40代になって自分の容姿を鏡で見て泣き明かした」と語り、容姿の衰えに愕然としたというシャロンだが、いまは、「女性は40歳を過ぎて最もパワフルになると考えている」と語るように、若さ重視の世のなかで、生きづらさを感じている女性たちにエールを送っている。

文/JUNKO

シャロン・ストーン、女優引退を示唆/写真:SPLASH/アフロ