4月1日より「改正高年齢者雇用安定法」が施行され、より高齢者が労働に駆り出される時代が到来した。現在、実際に働く高齢労働者たちは何を感じ、現役世代は何を準備すればいいのか? 激動の60代を過ごしている石田純一氏に話を聞いた。

◆60代・70代は働き盛り。働くのは大歓迎です

 62歳のときに東京都知事選への出馬を宣言するも、周囲の猛反発に遭い断念。66歳となった昨年は新型コロナウイルスに感染するなど、激動の60代を過ごしている石田純一氏。世間の風当たりも依然として強いなか、それでも働き続ける理由を尋ねた。

渋沢栄一の言葉にもあるように、60代・70代は働き盛り。ウチの子どもは上から8歳、5歳、2歳ですけど、彼らの世話に比べたら働くことなんか全然苦じゃないですよ(笑)。普通だったら引退する年齢かもしれないけど、僕の周りはまだまだ働きたいっていう人たちばかり。この間はクラス会で同級生に『お前のマネジャーやらせてくれ』と言われました。僕も映画監督になる夢をあきらめていませんし、70歳まで働けるのはむしろ大歓迎です」

◆「年収は6000万円くらい一気に減りました」

 新型コロナ感染をめぐる一連の報道によってCMやレギュラー番組が激減。今年1月にはYouTubeチャンネルを開設するも苦戦中。将来に対する不安は?

「年収は6000万円くらい一気に減りました。YouTubeも赤字です。きっとみなさん『お前になりたくないよ』って思うかもしれないけど、今は“自分で稼いでる”感覚が楽しくて酒がうまいんですよ。確かにバッシングはひどかったですが、逆にスイッチが入りました。『だったら好きなことをやろう』と原点に返るチャンスを与えてくれたと、今では感謝しています。こうなったらめちゃくちゃお金稼いでやりますよ(笑)


 もしかすると20代の頃よりもパワーがみなぎっていると語る石田氏。60代でも現役バリバリで働いて過ごすために必要なものは何か。

「ひと言でいうなら“気=エネルギー”です。やる気、元気、根気、熱気、活気。『負けてたまるか!』っていう負けん気や、多数派に疎まれてもいいと思う勇気もそう。でも、それって人生の本質ではないかと。寄らば大樹の陰もいいけど、人間どこかヒリヒリしながら『今月どうしよう』『来月にはお金が入るから頑張ろう』とやってるほうが楽しいじゃないですか」

◆人生で一番厄介なのは“恐怖感”

 では、逆に気をつけることは?

「人生で一番厄介なのは“恐怖感”。恐れが一番自分を老けさせます。僕の場合、無理してるわけでもなんでもなく、こうでも思わないと立ちゆかないだけですけど(笑)。でも、働く人みんなに言えることでもあると思うんです。自分を鼓舞して常に充実させていると、不思議と恐怖感はないですね」

◆「僕を叩いた人たちへの最大の復讐は、自分が成功すること」

 その上で石田氏が持ち続けたいのは、“遊び”の気持ちだという。

「何事も“遊ぶ”くらいの境地になれば楽しめるし、うまくいくのではないかと。故事でも、『学』より『遊』のほうが一段高い精神性にあるようだし、60代は仕事自体を遊ぶことができると思う。先のことはわかりませんが、僕を叩いた人たちへの最大の復讐は、自分が成功することだと思っているので、子どもローンのためにも遊びながらまだまだ頑張ります!」

【石田純一氏】
’54年、東京都生まれ。代表作にドラマ『抱きしめたい!』『想い出にかわるまで』など。現在のレギュラーは『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!』(文化放送、隔週木曜出演)。YouTubeチャンネルじゅんちゃんねる」配信中

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/後藤 巧>
※週刊SPA!4月13日発売号の特集「[老後も働く]のリアル」より

―[[老後も働く]のリアル]―


石田純一氏