悪の道に進むのか、あるいはスーパーヒーローなのか?ドクロのようにも見える独特のマスクを身にまとっているように見えるこのイモムシは「ベニモンコノハ(Phyllodes imperialis)」の幼虫である。
もちろんこの模様には訳がある。外敵に「こいつヤバイやつ」と思わせることで身を守っているのだ。
Phyllodes Imperialis
ヤガ上科 ヒトリガ科に属する蛾、ベニモンコノハ(Phyllodes imperialis)は、オーストラリア、ニューサウスウェールズ州からクイーンズランド州、パプアニューギニア、ソロモン、バヌアツおよびニューカレドニアの亜熱帯地域に生息する。
その幼虫であるイモムシは最初は周囲に溶け込むような茶色をしているのだが、成長すると、黄色に縁どられたの2つの黒っぽい目玉と、それを囲むように歯のように見える白い線が発生する。
幼虫は、天敵が近づいた時に頭部を持ち上げ、防御姿勢をとることでこのやばそうな模様を誇示するという。
このインパクト抜群の模様効果により、天敵に「こいつやべぇやつ」と思わせることで、身を守るのに役立てていると考えられている。
ベニモンコノハの親御さん
ベニモンコノハの成虫は腐った果実を食べることからインペリアル・フルーツサッキングモス(imperial fruit-sucking moth)や、羽の下にピンク色の模様があることからピンクアンダーウイングモス( pink underwing moth)とも呼ばれている。翼幅は130~170mmほど。
夜行性だが、電灯などに集まることはないそうだ。一部の専門家は、羽の下にあるピンク色は防御機構として機能すると考えられている。
突然ピンク色を見せられた捕食者は驚いて一瞬たじろぐ。その隙に逃げることができるというのだ。
とは言え、幼虫時代のインパクトのあるマスクにくらべたら、ちょこんとみえるピンク色はまだかわいいもんだ。
オーストラリア界隈には未知との遭遇とも言える個性豊かな昆虫たちがたくさん存在しているのだね。
References:Phyllodes imperialis / written by parumo
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