明治安田生命J1リーグ第10節が16日に行われ、北海道コンサドーレ札幌横浜F・マリノスが対戦した。

 札幌は16日がクラブ創設25周年の記念日。今節の“金J”唯一の試合は、25周年イヤーの幕開けを告げる記念試合に位置付けられ、試合に際して様々な催しが行われた。

 試合は8分、先に横浜FMが決定機を迎える。後方からのボールに抜け出したエウベルが右サイドからゴール前に浮き球を送ると、マルコス・ジュニオールがダイビングヘッドで合わせる。しかし、ボールは相手GK菅野孝憲のファインセーブによってコースが変わり、クロスバーに弾かれた。札幌は17分、アンデルソン・ロペスがドルブルでペナルティエリア右に侵入。利き足とは逆の右足で狙ったが、力なく相手GK高丘陽平にキャッチされる。

 横浜FMは37分、右サイドから松原健がシュート性のボールを蹴り込むと、ブロックに入った相手DFに当たって軌道が変化。クロスバーに直撃したが、得点には至らない。対する札幌は43分、チャナティップがロングボールに抜け出して決定機。右から駆け上がったA・ロペスにラストパスを託したが、エースの右足は枠を捉えられない。前半はスコアレスで折り返した。

 後半に入って47分、札幌がセットプレーから先制点を獲得する。福森晃斗が左のコーナーキックから浮き球を送ると、ニアの宮澤裕樹が頭ですらす。ファーサイドのキム・ミンテが折り返すと、最後はA・ロペスが押し込んだ。A・ロペスリーグ戦5試合連続ゴールで今季得点数を「9」に伸ばした。先行を許した横浜FMは52分、M・ジュニオールの左コーナーキックにオナイウ阿道が頭で合わせたが、強烈なヘディングシュートは相手GK菅野のファインセーブに阻まれた。

 札幌は64分にアクシデントが発生する。高嶺朋樹が右足を痛めてピッチ座り込み、担架に運ばれてピッチを後にした。同選手に代わって投入されたのは、生え抜きの荒野拓馬。荒野は昨年11月に左腓骨骨折および左足首じん帯の損傷を負って欠場が続いていたが、ついに今季初出場を果たした。

 80分、横浜FMが試合を振り出しに戻す。右サイドの天野純が鋭い切り返しで相手を剥がすと、中央に切り込み、左足アウトサイドキックでゴール前に低くて速いボールを通す。これをオナイウが押し込んだ。さらに82分、横浜FMが一気に逆転に成功する。右に開いた水沼宏太がゴール前で落ちるクロスを供給すると、前田大然ダイビングヘッドで合わせた。

 札幌は88分、左からのコーナーキックにジェイが頭で合わせたが、わずかに枠の上へと外れてしまう。後半アディショナルタイム1分には、右からのコーナーキックに再びジェイがヘディングで合わせたものの、これも枠の上に外れる。

 横浜FMは後半アディショナルタイム5分、ティーラトンからのクロスにエウベルが頭で押し込んだが、ティーラトンのハンドでゴールは取り消される。それでもその3分後、エウベルがペナルティエリアでのドリブル突破から左足でゴール左上に突き刺し、正真正銘の3点目を獲得した。

 試合はこのまま終了。札幌は記念試合を勝利で飾ることができず、2試合ぶりの黒星で3戦未勝利となった。横浜FMは2試合ぶりの白星で8戦無敗を維持している。次節はJリーグYBCルヴァンカップのグループステージ第3節を挟んで行われ、札幌は24日にホームでベガルタ仙台と、横浜FMは同日にホームで横浜FCと対戦する。

【スコア】
北海道コンサドーレ札幌 1-3 横浜F・マリノス

【得点者】
1-0 47分 アンデルソン・ロペス(札幌)
1-1 80分 オナイウ阿道横浜FM
1-2 82分 前田大然横浜FM
1-3 90+9分 エウベル(横浜FM

札幌と横浜FMが対戦した [写真]=J.LEAGUE