16日、東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は667人だった。同日に大阪府では1209人の新規感染者が発表されるなど、引き続き新型コロナが全国で猛威を奮っている。政府は影響を受けた事業者向けに持続化給付金や家賃支援給付金などの対策を講じているが、給付の “対象外”になっているのが性産業だ。

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 デリバリーヘルスを営むある事業者は、弁護団とともに性産業を新型コロナウイルス対策の救済対象に含めるよう訴訟。原告側は「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとして、未払いの給付金や慰謝料など計約450万円を求めている。

 第1回口頭弁論に出席した弁護士・亀石倫子さんは「今回の訴訟で国はなぜ国民の理解を得られないのか、ズバッと言ってきた。果たして国の主張が国民の理解が得られるのかと私は思った」と話す。国側は「性風俗業は性を売り物とする本質的に不健全な営業で社会一般の道徳観念に反する。合理的な区別であって差別ではない」とした答弁書を提出。職業差別を否定したものの、性産業は不健全な営業だとして、引き続き給付金の対象外であると主張した。

「国にこういうことを言われた衝撃が原告自身にもあった。私たちは法で認められた営業を一生懸命やってきたんだと。それにも関わらず、こうやって国の救済の対象外にされた。それに対する思いを『直接裁判官の前で自分の言葉で述べたい』と決意されて、関西地方の事業者だったが、昨日お越しいただいて、意見陳述をした。私たちも当日まで非常に不安があったが、その意見陳述をしていただいて、本当によかったなと思っている」(以下、亀石倫子さん)

 亀石さんによると、原告である事業者は店舗や個人特定の不安がありながらも、悩んだ末、その思いを直接裁判で訴えたという。

「(原告の事業者は)『自分たちの職業というのは日陰者であって何かを主張してはいけないんだ』『何かを求めたりだとか権利を主張してはいけないんだ』と思おうとしていたり、思い込もうとしていた時期もあったと。自分だけの考えであれば声は上げられなかったかもしれないけど、店で働いている人たちも『やっぱりこんなのはおかしい』『声を挙げるべきだ』と言ってくれた。だから『訴訟をおこす決断ができた』とおっしゃっていた」

 陳述の最後「性風俗業は合法に社会の中に存在するのに、社会の外の存在だという扱いを受け続けています。国による職業差別を許さないでいただきたいです」と裁判所に訴えた原告。このニュースに『ABEMAヒルズ』コメンテーターアーサー・ホーランド牧師は過去、性産業で働く女性に聖書の話をしたことがあると話す。

「知り合いの社長から『性産業で働く人たちに聖書の話をしてほしい』と依頼されたことがあった。話に行くとみんなピュアな子たちで、社長は『自立して生きていってほしい。成長してほしい』と言っていた」(以下、アーサー・ホーランド牧師)

 またアーサー牧師は「その会社はちゃんと確定申告をして、税金を納めていた」とした上で「税金を納めているなら、僕は(給付金を)もらって当たり前だと思う。大変な境遇に手を差し伸べるべき。この物差しで本当にいいのか」と問いかけた。

 他分野の業者と同じように税金を納めていても、現状、新型コロナの給付対象にはならない性産業。国は答弁書で「合理的な区別であって差別ではない」と主張しているが、本当にこれは職業差別ではないのだろうか。

「性産業で働く女性の中には『夫が働かない』『子供を食べさせるために働かなきゃいけない』などの理由がある。いろいろな家庭事情がある中で、本当にこれでいいのか。裁判の行方を見守りたい」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
性産業のコロナ給付金“対象外”は職業差別か? 原告側「性風俗業は合法に社会の中に存在する」