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この世に存在しない猫の顔を自動生成できるAIが登場


 AI(人工知能)技術は日進月歩だ。特にニューラルネットワークを利用した画像生成技術は著しい進化を遂げている。

 この世に実在しない、リアルな人間の顔画像がいとも簡単に自動生成できることは前回お伝えしたとおりだが、その猫バージョンも誕生したようだ。

 アメリカの科学者がAI技術を駆使して作ったサイトでは、リロードするたびに、この世に存在しないが、どこかにいそうな猫の姿が次々と生成できる。

【この世に存在しない猫の顔が次々と生成できる】

 まずは『thiscatdoesnotexist.com』にアクセスしてみよう。最初に表示されるその猫もAIが生成したもので実際には存在しない。

 さらにページをリロード(再読み込み)することで、次から次へと実在しない猫を世に送り出すことができる。さあ、君だけの猫を作り上げてみよう。

thiscatdoesnotexist.com

この黒猫もどこかでみたことありそうだが実在しない
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ご近所にいそうな「はちわれ猫」も実際には存在しない
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この灰色猫もAIが作り上げた架空の猫だ
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驚きの進化を遂げるAIによる画像生成技術

 この猫自動生成AIは、アメリカの科学者であるConspirador Norteno(@conspirator0)氏が作ったものだ。

 これらの猫の顔は「敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network 通称GAN)」というアルゴリズムで作り出された顔である。

 GANは、画像生成でよく用いられる技術だ。最初に導入された2014年時と比較すると、その技術が劇的に進化しているという。


 Conspirador Norteno氏は、開発のためのデータセットとして、2000匹のGAN生成の猫の写真と、1195匹の本物の猫の写真、そして1000匹のGAN生成猫と1000匹の本物の猫のテストセットを使用した。
2000個のGANで生成された猫の写真をブレンドし、各ピクセルの明るさと画像の平均的な明るさがどの程度異なるかを調べ、その差に対応するように配色を変更しました。

これにより、GANで生成された猫の画像に様々な水平方向と垂直方向の特徴的なパターンが表示されます。


 更に、画像の同じ行または列のすべてのピクセルをブレンドし、隣接する値の差を計算することで、特徴的なパターンをAIに学習させていったようだ。
 これらの結果を利用して、本物の猫の顔の画像とGANで生成された猫の顔の画像を分類する簡単なトレーニングを実施したところ、数時間以内には2000枚の画像のうち94.2%の精度で見分けることができる猫のモデルができあがったという。
 これまでの技術では、奇妙なボディに仕上がったり子猫の顔と体のバランスがイマイチだったりとリアルとはほど遠い品質だったようだが、今回は驚くほどリアルなものへと変化したことがこれらの画像を見てもわかる。

 しかし、「フェイクだとわかる」という声もあり、そのポイントとして「顔のみがはっきりしているが、体の毛先がぼやけている」といったことが挙げられるようだ。


 とはいえ、良質のカメラで猫の顔に焦点を当てれば、このような写真が撮れなくもない。

 いずれにしても、架空の猫だとはわからないほどの高精度技術にAIは進化を続けており、この先その判断も困難になっていく可能性があるということだろう。

 今うちにいる猫たちの存在すらも疑ってしまいそうだ。いや、確かにこいつらはいるよな。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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