愛知県警本部の北館1階、正面玄関には広報専用の車両として、希少なホンダ製の超大型白バイが展示されています。どのような経緯で展示に至ったのでしょう。

県警入口の広報専用「ゴールドウイング」

国内最大級の排気量を誇るホンダフラッグシップアラー、「ゴールドウイング」GL1500。排気量1520ccの水平対向6気筒エンジンを搭載した車両重量400kg超えのビッグバイクは、後継の「ゴールドウイング」GL1800がリリースされたのちも圧倒的な存在感を保ち続けています。

そのためか「ゴールドウイング」GL1500は、日本の警察でも要人警護やマラソンの先導、各種イベントなどで用いる「特別な白バイ」として運用されています。

同車は、VFR800PやCB1300Pなど、いわゆる一般的な交通取締用の白バイと比べて導入数は多くないことから、希少性の高い警察車両として各種イベントなどでは高い人気を博していましたが、初期導入車はすでに車歴30年近いため、次々に姿を消しつつあります。

そのような「レア白バイ」、愛知県警では警察本部の入口に展示しています。

場所は名古屋市中区にある県警本部北館1階の正面玄関前。展示車は1988(昭和63)年度式で、県警の第二交通機動隊で使われていたものだといいます。愛知県警には第一と第二の両交通機動隊に配備されていたものの、担当者の話によると、さすがに配備から30年以上経過し、メーカーでも修理対応が難しくなったことなどから引退したとのことでした。

一旦は廃車も検討したものの、市民から惜しむ声が上がったことで、第二交通機動隊が使用していた車体を広報用として残すことにしたそうで、展示するにあたりスタンドで固定し、外部電源を繋いで赤色灯などが点灯するようにしています。

展示された「ゴールドウイング」GL1500の白バイは原則、担当者が対応できれば写真撮影含めて見学可能とのこと。交通安全を考えるきっかけとして、広く市民に見てもらいたいと話していました。

ちなみに警視庁をはじめ、ほかの都道府県警では現役の車体もあるほか、皇宮警察などには新型の「ゴールドウイング」GL1800が配備されています。

愛知県警本部の北館1階、正面玄関に展示されているホンダ「ゴールドウイング」GL1500P。2021年3月24日から展示が始まった(2021年4月8日、柘植優介撮影)。