好奇心で木の根元に入り込んで遊んでいた子羊は、頭が引っかかって出られなくなってしまった。鳴き声をあげて助けを求める子羊だったが、そこに駆けつけたのはタトゥーショップを経営する男性とタトゥー愛好家の仲間たちだった。男性たちが見せた動物愛の溢れる姿には、「こんな親切な人がまだこの世にいるなんて」と称賛の声があがっている。『Manchester Evening News』などが伝えた。

英マンチェスター南部にあるウィゼンショータトゥーショップを経営するグラント・ホフマンさん(Grant Hoffman、27)は、友人のサミー・ステープルトンさん(Sammy Stapleton、36)、ジェイソン・ラトクリフさん(Jason Ratcliffe、28)、ネイサン・ライリーさん(Nathan Reilly、21)と共にキャンプを楽しもうとウェールズのレクサムを訪れていた。

どこにテントを張ろうかと4人で歩き回っていると、どこからか子羊の鳴き声が聞こえたという。しきりに鳴くその声を頼りに向かってみると、木の割れた根元の部分に挟まって動けなくなっている子羊がいた。

その姿を見たグラントさんらは、すぐに子羊を助けようと行動に移した。真ん中に生えている木が邪魔していたようで、「子羊の頭を押してその木の後ろをぐるっと回らないと出てこられないようになっていました。でも子羊にケガをさせたくなかったので、細心の注意を払って救助にあたりました」とグラントさんは当時の状況を明かした。

グラントさんは子羊を傷つけないように優しく頭を押していたが、子羊は外に出たいようでなかなか頭を引っ込めてくれず、苦戦したという。地面に腹ばいの姿勢になったグラントさんと子羊の押し合いが続いたが、無事に助け出すことができた。

出てきた子羊は足もとがおぼつかず、生まれて間もない子羊のようだった。グラントさんたちのそばを歩きながら遠くを見渡して母羊らしき影を見つけると、一目散に駆けていったそうだ。

母羊と無事に会えるまで様子を見守っていたグラントさんは、のちに「子羊をこのまま放っておくことはあり得ないと思いましたね。一緒にいた仲間にも『もし母羊が帰ってきた子羊を受け入れずに育児放棄してしまったら、俺が連れて帰るぞ』って伝えました。私は心から動物を愛しているので、その場に母親を失った子羊を置いていくことなんてできなかったです」とその心境を語っている。

さらに「僕らはみんなタトゥーを持っていて、お店に入ると警備員に目を付けられるような奴なんだ。僕らのような人には動物を助ける心なんてないと思うかもしれないけど、それは本当に古い考えですよ」と話しており、タトゥーが一般的な欧米でも多少の偏見があるようだ。

このニュースを見た人からは、「素晴らしい人たちだ」「こうした親切な人がまだ世界にいることが嬉しいね」「タトゥーだらけの人が、赤ちゃんと一緒にいる姿って本当にいいよね」と称賛の声が集まった。

グラントさんらはその後、子羊が再び同じ場所で引っかかってしまわないように、小枝や石、泥などを詰めておいたという。

ちなみにグラントさんには今年、娘が誕生するそうで「お土産ショップで子羊柄の子ども用靴下を見つけから、今回の出来事を思い出せるようにそれを買ったよ。今はコロナのことばかりだから、良い行いをしてそれを共有できるのは素敵なことだよね」と話している。

画像は『Daily Post 2021年4月15日付「Tattooists show softer side with ‘Disney-style’ rescue of lamb from tree in North Wales」(Image: Manchester Evening News)』『Express.co.uk 2021年4月15日付「Terrified lamb trapped in a tree rescued by hero tattooists and reunited with mum- Video」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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