老健局の職員23人が送別会を開いていた問題や、「週刊文春」が先週号で報じた職員の自殺未遂事件に続き、厚労省でまたも……。

 厚労省担当記者が語る。

「医薬・生活衛生局が4月2日、行政文書185件を業者が誤廃棄と公表したのです。資料には、法令改正に伴う決裁文書や質問趣意書に対する答弁書に加えて、審議会委員の氏名、行政訴訟の原告氏名、薬剤師の行政処分歴など個人情報も含まれていた。ただ、厚労省側は全てを溶解処理したため、外部流出の可能性はないとしています」

 誤廃棄された資料は3月下旬、同局総務課のレイアウト変更に伴い、一時的にフロアの廊下に仮置きされていたもの。厚労省が〈廃棄業者は、廊下に待避していた保管書類も廃棄書類と誤認して搬出〉と発表したのを受け、報道でも「廃棄業者が誤って運搬した」などと業者側のミスが強調されていた。だが――。

「実際には、ズサンな文書管理が原因です」

 こう証言するのは、医薬・生活衛生局の職員だ。

「通常レイアウトを変更する際は、段ボール箱に書類を詰め、廊下に『保管書類』と『廃棄書類』を明確に区別して仮置きする。レイアウト変更が終わったら、即座に保管書類を回収するのが“鉄則”です」

 ところが、今回は数日間にわたって廊下に置きっ放しだったために、行き来する人の肩が触れるような状態だったという。

 それだけではない。

職員が廃棄業者に「ココとアチラをお願いします」

「廊下の両端に廃棄書類の段ボール箱約40箱、廊下の真ん中に保管書類の段ボール箱約50箱がうずたかく積まれていましたが、両者が明確に区別されているとは言い難かった。しかも、担当職員の業者に対する指示が曖昧で、しっかりと指差し確認もしていませんでした。にもかかわらず、厚労省は業者側のミスであるかのような発信をしています」(別の職員)

 なぜ、こんなことになったのか。文書管理の責任者である担当課長に聞いた。

――指差し確認などを怠った厚労省のミス?

「廊下の端に立ち、職員が廃棄業者に『ココとアチラをお願いします』と頼んだのですが、廃棄業者は『ココからアチラまで全部捨てるもの』と思い込んだのでしょう。ただ、我々の確認が不十分だったことが原因です。プレスリリースでは、〈指さしながら〉と書かせて頂きましたが、分かりづらかったですかね……」

――段ボールを数日間置きっ放しだった。

「日常業務もこなしながら、保管書類の段ボール箱を回収しなくてはいけなかった。作業が中々進まなかったのは事実です」

 公文書は〈健全な民主主義の根幹を支える〉(公文書管理法第一条)。このことを肝に銘じてほしい。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年4月22日号)

“23人宴会”を謝罪する田村厚労相 ©共同通信社