アメリカの任天堂Nintendo Switchハッキングデバイスを開発・販売していた犯罪組織のボスに対して訴訟を起こすが、そのボスの名前がたまたま「クッパ」だったと海外メディアPolygonなどが報じている

 任天堂に訴えられたのはゲイリー・バウザー容疑者。国際的な著作権侵害の海賊組織Team-Xecuterの首謀者だ。
 このバウザーBowser)は英語版クッパと同一の名前。英語版マリオでは、Koopaクッパ)はカメ一族を指すことになっており、ノコノコKoopa Troopa(カメ一族の兵士。「Troopa」は「Trooper」を韻を踏んだ変形)と呼称されている。

(画像はMy Nintendo Store『スーパーマリオ 3Dコレクション パッケージ版』より)

 ちなみにアメリカの任天堂の社長は、ダグ・バウザー氏(Doug Bowserであり、こちらも海外のファンからは親しみを込められて「クッパ社長」と呼ばれている。

(画像ははNintendo of America公式Twitterアカウントより)

米任天堂の新社長クッパ(バウザー)の名前からファンの大喜利始まる。「マリオ新作は二度と出ない」、「会社ドアを開けるためスター集めが必要に」など

 バウザー容疑者は、少なくとも2013年からニンテンドー3DS用のハッキングツールを開発・販売しており、近年ではNintendo Switchセキュリティを回避して、海賊版ソフトを起動可能とするハッキングデバイスを配布していたという。昨年10月にドミニカ共和国で逮捕されたが、カナダ国籍を持っているという。

 今回はそのバウザー容疑者への訴訟がシアトル裁判所ではじまった形だ。任天堂は「7900万台以上のNintendo Switch、およびNintendo Switch Liteを海賊行為の危険にさらし続けている」と糾弾し、ハッキングツール1つにつき2500ドル(約27万円)、著作権侵害1件につき15万ドル(1600万円)の損害賠償を求めている。

 ゲイリーバウザー容疑者ならびに、その犯罪組織Team-Xecuterは任天堂のコンソール以外にもハッキングツールを開発していたと目されており、裁判を通じてその余罪が明らかになりそうだ。

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ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman