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後方に流れるベルトの上を走る健康器具「トレッドミル(ランニングマシン)」はコロナ禍での需要が増え、屋内で気軽にランニングやウォーキングができるとして人気が高い。そんななか米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、家庭用フィットネス機器を販売する「ペロトン社(Peloton)」のトレッドミルに対し、「子供やペットがいる家庭では、同社のトレッドミルの使用を今すぐにやめるべき」という緊急警告を行った。

米国消費者製品安全委員会(以下CPSC)は今月17日、米ペロトン社のトレッドミル「トレッド+(Tread+)」の安全性に問題があるとして緊急警告を出し、小さな子供が「トレッド+」の下に引き込まれていく動画を公開した。

動画には、稼働中の「トレッド+」の後方でボールを持って遊んでいた男児が、ボールごと太いベルトの下に引き込まれていく様子が映し出されており、男児は左手が挟まれた後に身体全体が見えなくなってしまう。まだ2歳未満かと思われる男児はその後、傾いた機器の下からなんとか這い出して無事だったが、今年2月には3歳の子供が脳を損傷する事故が、3月には子供の死亡事故が起きていた。

CPSCは「ペロトン社のトレッド+でこれまでに1件の死亡を含む39件の事故が発生しており、子供が擦り傷や骨折したり、死亡する危険性が非常に高い」としている。そのうえで子供やペットのいる家庭ではトレッド+の使用をやめ、どうしても使用したい場合は鍵がかかった部屋で行うこと、エクササイズボールなどを近くに置かないこと、使用しない時はコンセントを抜き、機器の作動に必要な安全キーを子供の手の届かないところに置くなどの対処法を提示した。

なおペロトン社は、39件の事故のうちの23件は子供が絡んだ事故で、15件はメディシンボールなどが原因で起きたもの、1件はペットが関わっていることを明かしているが、「安全性には配慮している。CPSCの警告は正確ではなく誤解を招く」と反論している。

ペロトン社は自宅でできるフィットネスバイクも人気で、ニューヨークのスタジオからエクササイズ番組のストリーミング配信などを提供し人気を集めている。トレッドミルは約3年前に登場し、コロナ禍で需要が急増。トレッド+は現在約46万4千円(4295ドル)で販売されている。

画像は『The Sun 2021年4月18日付「SAFETY ALERT Peloton Tread+ owners with kids and pets told to stop using treadmill IMMEDIATELY after one child died and dozens hurt」(Credit: U.S. Consumer Product Safety Commission/Youtube)(Credit: Peloton)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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