それなりの年収帯であっても生活は楽ではない

それなりの年収帯であっても生活は楽ではない

「世帯年収が増えると、それだけ裕福な生活ができる」と考えるのは人間の性だ。日本の平均世帯年収は552万円(2019年、厚生労働省の調査)だが、平均以上を稼いでいれば、良い暮らしができると想像するのも無理はない。

しかし、キャリコネニュース読者の40代女性(IT関係/世帯年収850万円)は、「都内で暮らしていると、まったく余裕は感じません」と語った。女性は現在都内のマンションに住んでいるが、「マンションの修繕積立金が将来値上がりするため、住み替えなければいけません」と明かした。

今回は世帯年収800万円~1000万円のリアルな生活を紹介する。(文:中島雄太)

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「生活カツカツ。食材も買いに行くのも不安」

神奈川県の30代女性(コンサルタント/世帯年収850万円)は、夫婦+小型犬2匹で戸建ての持ち家に暮らしている。

「犬は小さい子どもよりお金がかかりますが、癒やしなのでお金はケチりません。自分にはお金かけるところと絞るところをメリハリつけているため、生活には余裕があります」

ペットなど好きなものにはお金を惜しまないものの、メリハリを意識した家計管理を心がけているようだ。女性には子どもがいない点も、生活のゆとりに直結しているのかもしれない。

一方で、東京都の40代女性(メーカー/世帯年収950万円)は、「子どもにかかる費用に負担を感じている」という声を寄せている。女性は、都内で夫と子どもの5人で暮らしている。

「都内で子どもが3人いると、正直厳しい。中学1年生と小学5年生、2年生ですが、大学卒業までやりきれるのか不安しかありません」

子どもたちには塾や習い事にも通わせているが、「お金かかるので、学童保育の代わりに塾や習い事を割安でやって欲しいなと思います」と語った。

群馬県に住む50代女性(小売/世帯年収850万円)は、「住宅や車のローンや、奨学金の返済に追われて生活カツカツ」と打ち明ける。

最近結婚し新居を購入した長女のお祝い金に加えて、「長男も結婚控え、結納金を出さなければならないのか?と思うと全く貯金がない。食材も買いに行くのも不安」と家計のやりくりに苦しむ現状を綴っている。

「子どもは私立小学校に通わせ、習い事もいくつもさせている」

三重県の30代女性(メーカー/世帯年収850万円)は、外資系メーカーの営業をしながら、シングルマザーとして8歳の息子を実家の近くで育てている。

「子どもは郊外の私立小学校に通わせ、習い事も複数通わせています」と語り、子どもの教育には、概ね満足している。普段の食事については、

「2人で外食はほとんどしない。外食をするとしても、買い物ついでのフードコートファミレスが中心です。どこに行くかよりも、息子と過ごせる時間が幸せです」

とコメントを寄せた。一方で自身の年収の高さゆえ、「ひとり親のための税金控除は全くと言っていいほど受けられていません」と不満を語る。女性は、

「今年から寡婦控除も無くなり、一般的な医療費助成さえありません。小児慢性特定疾患もあるのですが、年間通すと結構な額がかかっています。いずれも子どものためなので、高い費用を払っていることに不満はない」

と綴っているが、「税金の不正利用や意味のない対策に使われているのを見ると本当に嫌気がさします」と現行の税制について本音も漏らした。

※キャリコネニュースでは引き続き「あなたの世帯年収への不満を教えてください」「会社や人事にバレたらヤバいこと」などのアンケートを募集しています。

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