普段何気なく使っている銀行。4月から新社会人になったり、大学に進学するなどで初めて銀行口座をつくったという方がいる一方で、同じ銀行を使い続けて十数年経つというケースもあるでしょう。

実は、銀行の選び方や使い方は貯金をするうえでも重要。銀行の使い方を変えるだけで、物理的にも、メンタル的にもお金が貯まる仕組み作りを行うことができるのです。

節約や投資などが叫ばれて久しいですが、銀行の活用も貯金を増やしていくための一手。今から始めたい銀行の使い方をご紹介します。

ポイント還元されるデビットカードを活用

キャッシュレス化は進むものの、まだ現金払いという方も多いですよね。経済産業省によると、2019年のキャッシュレス支払額は消費全体の26.8%。内訳は「クレジットカード24%、デビットカード0.56%、電子マネー1.9%、QRコード0.31%」という状況です。

電子マネーやQRコードは便利ですが、店舗によって利用できるサービスが異なったりして、使いにくさを感じることも。一方、以前から普及しているクレジットカードの場合、後払いのためつい使い過ぎるというデメリットから利用を控える人もいます。

この”後払いの悩み”を解決し、かつ数多くの店舗で利用しやすいのがデビットカードです。デビットカードは、カードの支払いと同時に、自分の銀行口座からお金が引き落とされる仕組み。

クレジットのように後払いではなく、今、口座にある金額の範囲内でしか使えないので、必要以上に浪費してしまう心配がありません。また、デビットカードなら現金を下ろすためにATMへ行く手間もありません。

デビットカードはVISAやMastercardなどの国際ブランドと提携したものが多く、たとえばVISA付きのデビットカードを持っていれば、VISA加盟店で利用できます。VISA加盟店は数が多いので、スーパー、コンビニ、百貨店100均など、生活圏のほとんどで利用可能という場合もあるでしょう。

さらにデビットカードには、ポイント還元を行っている会社が複数あります。たとえばGMOあおぞらネット銀行の還元率は最大1.5%、楽天銀行は1%、ソニー銀行は最大2%と、その割合も大きいもの。「現金とほぼ変わらない使いやすさでポイントが欲しい」という方に向いているのです。

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費用ごとに銀行を使い分けて貯める

一般的に、利用している銀行は1~2行程度、生活費と貯金でざっくり分けているというケースが多いのではないでしょうか。ただ、何となくの貯金ではついお金を使ってしまったり、急な出費のときに貯金額が減るのを見たりして、なかなか貯める意欲が上がりません。

そこで取り入れたいのが、項目ごとに銀行を分けて貯金をすること。基本的な生活費や貯金の他に、まとまった金額がかかるのは「教育費」「入学・進学費用」「旅行費用」「家電買い替え費用」「車買い替え費用」「老後資金」「冠婚葬祭費」など。これらを必要に応じて、普段使いする口座とは別の銀行に分けて貯金します。

そして、目的別貯金の口座がある銀行のカードや通帳は、家に保管して持ち歩かないようにします。取り出すのに時間や手間がかかる場所へ保管すれば、ついつい使ってしまうリスクは激減します。

項目別に貯めたお金を使うことになっても、振り分けた口座から引き出せばいいので、基本の貯金額は減りません。貯金は増えたり減ったりの繰り返しを目にするとモチベーションが維持しにくいものですが、残高が増え続けると「もっと貯めたい」「残高を減らしたくない」という意欲が湧きやすいのです。

ただし、項目ごとに分けた口座にしょっちゅう入金するのは大変です。それぞれの口座に入金するのは数カ月に一度、もしくはボーナス月にするといいでしょう。

普段利用する銀行は手数料を重視

普段利用する銀行で重視したいのは、ATMや振込手数料の無料サービスを行っているかどうか。無料になる回数が決められていることも多いですから、比較してみましょう。先述したように、デビットカードの利用でポイント還元が受けられる銀行もおトク度が高いですね。

一昔前に比べて、ネット銀行やネット証券を利用したり、ネットの自動車保険や生命保険に加入したりするのを当たり前とする方も増えています。

政府は2025年までに約4割、将来は約8割の水準でキャッシュレス化を進めていきます。銀行も何となく使う時代から、能動的に利用する時代へと変化しつつありますので、自分にとって使いやすくお得になる方法を探してください。

参考資料