中国メディア・新民晩報は20日、「日中関係は改善に長年の努力が必要だが、ほんの一瞬で悪化する」と題した記事を掲載した。

 記事は、現在日本国内では政府から世論に至るまで中国を抑え込もうという潜在的な流れがあり、しかもその流れが徐々に表面化しつつあると紹介。日本は台湾問題を持ち出して中国の発展をけん制したいと望んでいるものの「日本にとって、台湾問題は首を突っ込みすぎればその『切り札』は『重荷』へと変化するだけなのだ」と論じている。

 また、先日の日米首脳会談後の共同声明で台湾問題に言及したことについて「日本は中国との関係を全面的に退歩させたいのだろうか。深い考えもなしにとっさに出た言葉は、国益に沿った決定とは言えない」と疑問を投げかけるとともに、日本による台湾問題への干渉には「旧帝国時代の植民主義的感情がいまだ健在である」という認識を持たざるを得ないと伝えた。

 その上で、日本による台湾問題への発言は問題を余計にエスカレートさせることにつながり、周囲の安全環境の改善に何らメリットはないと主張。日本自体に火の粉が降りかかる可能性にも言及し、「トランプ政権時代の米国に対し、日本は米国から捨てられることを恐れてきた。そして、バイデン時代において日本が憂慮することになる問題は、米国が引き起こした衝突や戦争に巻き込まれる可能性がある点だ」としている。

 記事は、日米両国が台湾問題で中国をけん制する中で、中国としては「どっしりと腰を据えて対応し、国内の政治をしっかりとやると同時に、周辺国家との安定的な関係を構築していくべきだ」と伝えた。そして、「中長期的な視点で見れば、時は中国に味方をしている。中国の平和的な発展が東アジアの繁栄と安定をもたらすことは間違いないのだ」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本は中国との関係を、全面的に退歩させたいのか?