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4月20日、政府が3度目となる緊急事態宣言を決めたと報じられた。産経新聞によると、発出対象となるのは東京都大阪府兵庫県。23日に発令が決定される見通しだという。

そんななか、20日の衆院本会議での菅義偉首相(72)の発言が物議を醸している。

今年1月8日に開かれた国会では、東京五輪を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として、また、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会」と位置付けてきた菅首相。ところが17日(米国時間16日)に行われたバイデン大統領との日米首脳会談では、「世界の団結の象徴」と変えて説明したと報じられている。

この意図について、立憲民主党の緑川貴士議員(36)が菅首相に質問。すると菅首相は、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして東京大会を実現する決意に何ら変わりはない」と強調。また「復興五輪」については、触れることがなかったという。

さらに同日夜、記者団から宣言を発出した場合の影響を問われると「五輪に影響はないと思っている。安全・安心な大会になるよう政府として全力を挙げていきたい」とコメントしたというのだ。

頑なに方針を固持しようとする菅首相の態度に、SNSでは批判が殺到している。

《よく言うよ! ボロ負けじゃん。恥ずかしくないの?》
《どうして影響がないと言い切れるのでしょうか? こういう時こそ、総合的・俯瞰的に判断すべきではないでしょうか》
《ただの願望でしょう。影響がないと言い切れる根拠を示してほしい》

■全国民へのワクチン供給は大会終了後

大会開催まで残すところ3カ月と迫っているが、国内の感染状況は深刻化している。

3月21日に2度目の宣言が解除されてから、わずか1カ月で再発出される運びとなりました。4月には関西や関東地方に『まん延防止』が適用されましたが、大阪府では連日1,000人を越す新規感染者が確認されています。飲食店の時短営業は、さほど効果を発揮しなかったようです。感染力の強い変異株の拡大や、病床逼迫への対応が迫られています」(全国紙記者)

また2月17日に始まった医療従事者ら約480万人を対象としたワクチン接種も、さほど進んでいない模様だ。

首相官邸ホームページによると、16日現在で1回目の接種を終えた人は119万8,346人で対象者の約25%程度。2回目の接種を終えた人は、71万8,396人と約15%にあたる。いっぽう高齢者は18日現在で、13,369人が1回目の接種を終えている状況だという。

全国民への供給も不安視されるなか、菅首相は米国滞在中にアメリカ製薬大手ファイザーのCEOと電話会談を実施。その内容について、「今年9月までにわが国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう、追加供給を要請した」「9月までに供給される目処が立ったと考えている」と報告。つまり、“大会終了後”になる見通しだというのだ。

産経新聞が19日に発表した国内世論調査では、大会について「中止もやむを得ない」との回答が56.8%で、「再延期せざるを得ない」との回答は17.6%。「予定通り開催できる」との回答は24.3%にとどまり、開催を懸念する声は根強いという。

国民が安心するような方策は、菅首相には期待できないのだろうかーー。