【内モンゴル自治区(内蒙古自治区、Neimenggu Zizhiqu)】
●地理
中国北部内陸の民族自治区。モンゴル語では「オボル・モンゴル(南モンゴル)」。南西から北東に甘粛省、寧夏回族自治区、陝西省、山西省、河北省、遼寧省、吉林省、黒龍江省に接する。北はモンゴル国とロシアに接する。中部以東は草原や森林が、西部は砂漠が多い。夏の最高気温は摂氏30度以上、冬は氷点下30度以下になる地方もある。モンゴル民族古来のアイマグ(「地級市」に相当。中国語表記は「盟」)やホショー(県に相当。中国語表記は「旗」)という行政区分が残る。区都はフフホト、中国語表記は呼和浩特市。
●人口と収入
2010年の全国調査によると、同年11月1日午前0時時点での全省の常住人口は2770万6321人。漢族人口は79.54%。残りはモンゴル族(17.11%)など。0-14歳の人口は全体の14.10%、15-64歳は78.34%、65歳以上は73.56%。
0-14歳の人口比率は2000年の調査時よりも7.18ポイント減少した。15-64歳は4.97ポイント増加、65歳以上は2.21ポイント増加した。
2012年末の常住人口は、全国31省の省クラス行政区画中第23位の2489万人だった。
都市部住民1人当たりの2012年通年の可処分所得は2万3150元で全国第10位だった。名目上で前年比13.4%の上昇だった。
農村部住民1人当たりの2012年通年の純収入は7611元で全国第15位だった。名目上で前年比14.6%の上昇だった。
なお、農村部の収入/所得については、大部分の省(中央直轄市、民族自治区)で、農作物の自家消費を「収入」として現金に換算する「純収入」を発表しているが、一部の省では都市部と同じ可処分所得を発表している。
●面積
陸地部分面積は全国第3位の118万3000平方キロメートルで、日本の3倍強(約313%)。
●経済関連
2012年の省内総生産は1兆5988億3400万元で、全国第15位だった。(13年3月発表の速報値)
前年比成長率は11.7%で、同時期発表の全国平均を3.9ポイント上回った。
第1次産業の増加値は5.8%増の1447億4300万元で全国第17位。第2次産業は14.0%増の9032億4700万元で全国第13位。第3次産業は9.4%増の5508億4400万元で全国第16位だった。
●産業
少数民族自治区としては、経済が最も発達している。GDPの全国順位は31の省クラス行政区画のうちで第15位(2012年)。成長速度も全国平均を大きく上回る。経済発展の背景には石炭や希土類のような地下資源が豊富なことがある。また、平原が広く、陸上交通路の建設も、比較的容易だ。中国企業連合会がまとめた2012年の中国企業の売上高上位500社中では、同区に本拠地を置く企業として、内蒙古電力集団(198位)、内蒙古伊泰集団(石炭、230位)、内蒙古伊利実業集団(食品、243位)がある。
●指導者
・共産党委員会書記:王君(1952年3月生まれ。2012年10月就任)
…経歴:山西省出身。漢族。工場労働者として働いた後、71-74年に山西鉱業学院で学ぶ。修了後は同省大同鉱務局に勤務。同局局長も務める。その後、国家煤炭工業局副局長、江西省省長、江西省委副書記、国家安全生産監督管理総局局長、山西省省長、内モンゴル自治区委書記、同自治区人民代表大会常務委員会主任などを歴任。中国共産党第16期中央候補委員、17・18期中央委員。
・主席:バートル(巴特爾、モンゴル族)(1955年2月生まれ。2013年1月就任)
…経歴:本籍地は遼寧省。内モンゴル自治区ホロンバイル市エベンキ族自治旗で草原地帯での巡業を主な職務とする文芸団体「オラーン・ムチル」に勤務した後に、ハイラル・モンゴル族師範学校でモンゴル語を学ぶ。中国共産主義青年団内モンゴル自治区書記、同自烏海市委書記、烏海市市長などを経て内モンゴル自治区主席に就任。中国共産党第15期中央候補委員。第16・17期中央紀律委員会委員、第18期中央委員。
(編集担当:如月隼人)
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