エバートンカルロ・アンチェロッティ監督が、ヨーロッパ・スーパーリーグ(ESL)構想が頓挫したことに安堵している。イギリス『ミラー』が伝えた。

プレミア6つのクラブを含めた欧州12のビッグクラブは、18日に相次いでESLへの参加を正式表明。しかし、プレミアリーグを軽視するような一方的な決定には各方面で猛烈な反発が起こり、エバートンも公式サイトにおいて「とんでもない傲慢さだ」と強い言葉を用いて猛批判を展開した。

こうした批判に加え、監督や選手たちからも多数の抗議が寄せられたこともあり、参加表明からわずか48時間でプレミアリーグの6クラブ全てがESLからの脱退を表明している。

この騒動について意見を求められたアンチェロッティ監督は、12クラブのオーナー陣が自分たちのみで重大な決定を下したことを批判。また、新たなチャンピオンズリーグ(CL)のフォーマットについても触れており、改善点はあるとしつつも評価している。

「私は当初ESLを冗談だと思っていたし、そんなことは起こらないと思っていた。なぜなら、彼らは間違っていたからだ。12クラブすべてが間違っていた。彼らは最も重要な2つの部分を考慮していなかった」

「1つは選手と監督、そしてもう1つはサポーターだ。彼らはこれらの意見を気にしていなかった。この2つの部分は、今回のESLにまったく関与していなかったからだ」

「サポーターはもちろん、監督や選手の意見にも耳を傾ける必要があると思う。私は大会のスケジュールや、国際的な休みに関するFIFAの決定に関わっていきたい」

「選手は試合数が多すぎて、今シーズンは休む暇がない。結果、信じられないような数の負傷者が出ている。休むことができなければ、100%の力を発揮なんてできない。選手のコンディションが良くなってこそ、質も向上するのだ」

「CLもプレミアリーグも世界で最も競争力のあるリーグだが、より高めることはできると思う。今、CLは実質3月から5月までしか競争がない。準々決勝からの2カ月間だけだ。グループステージではだいたい誰が1位と2位になるか、組分け時点で分かる」

「CLの新フォーマットなら、最初から競争はよりエキサイティングになるだろう。ただ、もっとうまくやれると思うがね。12のクラブはこれに満足していないから、受け入れなかった」

アンチェロッティ監督はコメントの中で、ヨーロッパとアメリカの文化の違いにも言及。どちらが優れているかは試合で決するものだと語り、23日に行われる予定のプレミアリーグ第33節アーセナル戦に向け、強い意気込みを見せた。

「ヨーロッパのスポーツ文化はアメリカとは違う。ヨーロッパでは、結果に対する情熱を持って生きているからだ。我々はスポーツ的なメリットを得るため生まれてきた。他チームよりも優れていると証明するには勝利が必要であり、最高の試合をしなければならない。私は(23日に対戦する)アーセナルに実力で勝ちたいね。彼らより良いプレーがしたいと思っている」

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