LINEグループ会社「LINE Fukuoka」の社員が運営業務の一環として「OpenChat」(オープンチャット)に別人格で“サクラ”投稿をしていたと、週刊文春4月22日に報じた。LINEは事実関係について認め、運用方針を見直すとしている。

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 オープンチャットは、共通の趣味を持つユーザーなどが集まり、最大5000人のグループを作成できる機能。誰でも匿名で参加できるのが特徴で、約10万件のトークルームが存在する。メッセージアプリLINE」のグループトーク機能を拡張する形で2019年8月に開始した。

 週刊文春の記事によると、LINE Fukuokaの30代半ばの男性社員がLINE本社からの指示で、オープンチャット女子高生不登校の生徒を装いサクラ投稿をしていたという。

 報道内容の真偽についてLINEに問い合わせたところ、同社は事実を認めた。管理業務の一環でこれまでに約300トークルームの運営に社員が関与し、現在も社員が運営するトークルームが54あるという。

 業務マニュアルにも「サクラ投稿」という文言を盛り込んでいた。週刊文春からの指摘を踏まえ、4月12日マニュアルの文言を変更済みだという。マニュアルの内容については「詳細は開示できない」とした。週刊文春は「会話が盛り上がっていなかったら話題提供、脱線しすぎていたら軌道修正」「状況を見ながらサクラ投稿」などの内容を紹介していた。

 LINEは社員によるサクラ投稿の業務を停止するとともに、一般ユーザーへの管理権限の委譲を進めている。

●なぜ社員に投稿指示? 背景に相次ぐ不適切投稿

 社員にサクラ投稿をさせたのは、オープンチャットに不適切な投稿が相次いでいたからだという。

 LINEサクラ投稿の理由について「オープンチャット全体の質・ユーザー満足度向上や、良質となるトークルームの作成を目的に行っていた」と釈明。社員が一部のトークルームの運営に関与し、監視することで未成年のユーザーなどを保護したかったとしている。

 オープンチャットでは、19年8月のサービス開始当初から「東京近くで恋人募集」「出会い目的に人集まろー」など出会い目的のトークルーム開設が相次いだ。中にはわいせつな内容の投稿もあり、ユーザーから「テーマに沿った交流ができない」「トークルームの管理が不十分」などの不満の声が上がっていたという。

 このため、LINEは違反行為の取り締まりを強化し、児童ポルノを含む不適切な投稿には警察への通報など厳しい対応を行う方針を示していた。

 一方で週刊文春は、関係者の証言として「将来的な収益化のため、ネガティブイメージを払拭(ふっしょく)し、サクラ投稿で成功していると見せかけるため」と報道していた。

 LINEは報道内容への直接の言及を避けたものの、サクラ投稿に対し「中立なコミュニケーションの場を保つためにトークルームを立ち上げたのが社員であることをユーザーに事前に説明していなかったこと、本来の年齢・性別とは異なる人格として投稿していたことについて、ユーザー視点において明確な課題があるという認識だ」と回答。「4月15日オープンチャット内でユーザー向けの説明を行った」としている。

 今後の運営方針の詳細は未定だが、LINEは「今後はユーザーの皆さまへの説明などコミュニティー運営において、より分かりやすいものとなるよう透明性ある運営を現在検討している」とコメントしている。

LINEの「OpenChat」