積算8724km 1L当たりの馬力は161ps
実際は不要でも、エンジンオイルのレベルチェックをこまめにしたくなる筆者。GRヤリスも頻繁には必要はないようだが、エンジンにはかなりのストレスが掛かっているはず。排気量1L当たりの馬力は、161psもある。
【画像】赤と白と黒 トヨタGRヤリスを写真でじっくり 全53枚
9600kmごとのオイル交換が求められている理由だろう。長期テストのGRヤリスは、かなり過酷に走り込まれているが、消耗品のすべてはよく持ち堪えていると思う。
積算1万364km 定期点検がやって来た
長期テストのGRヤリスが、定期点検の距離に達した。近年のクルマとしては短く、英国仕様の場合、初回点検は9600kmに指定されている。
英国では、国内のどのトヨタ・ディーラーへクルマを持ち込んでも、165ポンド(2万5000円)の定額で定期点検と基本整備を行ってくれる。その次、1万9300km時の主要点検では、375ポンド(5万6000円)が必要になる。
筆者はどこのディーラーでも良かったのだが、英国トヨタの本社にはサーキット・パッケージの付かないGRヤリスが広報用車両としてある。そこで、長期テストのGRヤリスをサセックスにあるワークショップへ持ち込んだ。乗り比べるために。
ベースグレードの白いGRヤリスの英国価格は、2万9995ポンド(449万円)。長期テストのGRヤリスより、約3500ポンド(52万円)安い。
ノーマルのGRヤリスも楽しさの塊
アルミホイールは鍛造から鋳造になり、タイヤはミシュラン・パイロット・スポーツ4ではなく、ダンロップ・スポーツマックスを履く。トルセン式LSDは装備されず、通常のオープンデフが前後に組まれる。
フロントのアンチロールバーは細くなり、サスペンションもソフトになる。差は大きくないものの、乗り始めてすぐに違いを体感できた。
ノーマルのGRヤリスは、市街地の継ぎ接ぎだらけの路面でも揺れがマイルド。パワーを掛けた時は、ステアリングへの影響が少ない。アクセルペダルを積極的に操作しても、姿勢変化が小さくなっている。
タイトなフィーリングは薄いかもしれない。勾配やカーブの続くワインディングでの安定感は、サーキット・パッケージ付きの方が高い。トラクションもスピードも勝っている。それでも、ノーマルのGRヤリスも楽しさの塊だたった。
適度な速度で一般道を走るような時間でも、本当に楽しい。素晴らしいロードカーだ。
では、どちらを選ぶべきだろうか。筆者なら、恐らくサーキット・パッケージ付きを選ぶが、状況にもよりそうだ。
スーパーカーやケーターハムなど、シリアスなドライバーズカーを所有していて、扱いやすく楽しいロードカーが欲しいなら、標準のGRヤリスは最高の選択肢になるだろう。日常の素晴らしい相棒になる。
走り込んだフロントタイヤを交換
これぞという愛車として選ぶ場合や、サーキット走行など特別なシーンでも楽しみたいなら、サーキット・パッケージを付加した方がベター。リセールバリューも高くなるだろう。標準サスにLSDという組み合わせも気にはなるが。
AUTOCARで行うビデオ撮影やパフォーマンス・テストでの負荷は、一般的なサーキット走行会よりハード。そこで、今回の定期点検ではフロントタイヤを交換することになった。スリップサインには届いていないが、ショルダーはボロボロだった。
激しいテストは一段落している。新しいペアでは、どの程度の距離を走れるのか確かめたい。
トヨタのディーラーでは、ミシュラン・パイロットスポーツ4を1本100ポンド(1万5000円)で交換してくれる。結果、今回の定期点検に要した費用は合計で365ポンド(5万5000円)になった。
GRヤリスは走行距離が満たなくても、6か月ごとにクラッチとブレーキフルードの点検も求められている。費用は50ポンド(7500円)らしいが、実施内容でも異なるだろう。
長期テストでは走り込むから、次の主要点検には交換となりそうだ。たとえ新型コロナで外出が制限されていても、距離は伸びるに違いない。
テストデータ
気に入っているトコロ
柔からなボディ:GRヤリスのバンパーは、少し押すと軽く曲がる。軽量化のために、薄くできているのだろう。
気に入らないトコロ
汚れるホイール:メタリックグレーのホイールは、きれいな時はとてもカッコが良い。でも一度楽しむとすぐに汚れて、冴えない見た目になってしまう。
テスト車について
モデル名:トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様)
新車価格:2万9995ポンド(419万円)
テスト車の価格:3万4080ポンド(477万円)
テストの記録
燃費:11.1km/L
故障:なし
出費:定期点検165ポンド(2万5000円)/フロントタイヤ200ポンド(3万円)
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