エミーラ、ロータス最後の内燃機モデル
4月27日、ロータスが公開したグローバルカンファレンス「Driving Tomorrow」の中で興味深い発表があった。
【画像】ありがとうエリーゼ/エヴォーラ/エキシージ【3モデルを振り返る】 全151枚
これまで「タイプ131」というコードネームで呼ばれていた新型車の正式なモデルネームが発表されたのである。
それはロータスの伝統に則りアルファベットEからはじまる、Emira(エミーラ)である。
Emiraとは「司令官」や「リーダー」を意味する古代言語だ。
ロータスは今回の発表に先がけてSNSにアップしたティザーフィルムの中で、流れる道路のセンターラインにモールス信号を仕込み、エミーラの名前を暗示していた。
エミーラの詳細は今年7月6日にロータスの本拠地であるヘセルにおいてワールドプレミアされることが決定している。
これに引き続き、7月8日~11日まで開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場することになっているので、ここではエミーラの走行シーンを目にすることができるかもしれない。
ちなみにエミーラは、彼らにとって燃焼エンジンを搭載した最後のモデルになるという。ロータス社の今後を占ううえでも重要なモデルといえるだろう。
エヴァイヤの薫陶受けたスタイリング
デザイナーのラッセル・カーによれば、エミーラのスタイリングにはBEVのハイパーカーであるEvija(エヴァイヤ)で構築された新しいデザイン言語が使われているという。
エアロダイナミクスはエヴァイヤのコンセプトをエミーラのクラスに合うように再解釈したものとなっている。
エミーラのデザインに関して採用された手法はCADや5軸のフライス盤によって削り出されたクレイモデルといった従来のものだけではない。
フルスクリーンのプロジェクションやVRの技術も導入されているのである。
デザイナーが設計用のシートに腰掛け、ヘッドセットを装着することで、後方視界や室内の居住性を確認するなど、実際にクルマの中にいるような感覚でデザインできるのだ。
この全く新しいデザイン手法はコロナ禍でロックダウンされた状況下でも有効だったという。
デザイナーたちは自宅にいながら世界中の仲間と電子的にコミュニケーションを取りあってエミーラのデザインの微調整を繰り返し、完成までこぎつけたのである。
こうして完成したエミーラはひと目でロータスと認識できる伝統的な雰囲気と、目新しさを含んだものに仕上がっている。
シャシーも刷新、エンジンの可能性は
今回のロータスのカンファレンスではエミーラの具体的な中身についてはあまり言及されていない。
スポーツカー・アーキテクチャー(ロータス社内ではエレメンタル・アーキテクチャー)と呼ばれているエミーラのアルミニウム押し出し材を接着したプラットフォームはエヴォーラのそれをベースにしているという噂もあった。
しかし今回の発表では「旧世代のロータスとはあらゆる寸法が異なる」という説明がされている。
一方エリーゼと同じようにミドシップマウントされることになるパワートレインに関しては、ハイブリッドの噂もあったが、実際にはガソリン・エンジンのみということになる。
「新たなパートナーシップによる新しい複数のパワートレイン」というコメントからわかるのは、エンジンが従来のトヨタ製ではなくなるということ。
また「複数」という表現からは直列4気筒のみならずV6やこれまでエリーゼに搭載されなかったターボ・ユニットの可能性も匂ってくるのである。
ともあれロータス・エミーラの全容は7月6日に明らかになる。ファンには待ち遠しい2か月間になりそうだ。
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