今回、有吉弘行夏目三久の結婚報道でも、やはり2人の関係のキーマンとされているのは夏目が所属する田辺エージェンシーの田邊昭知社長である。5年前の【結婚・妊娠】報道の騒動のときには、その名前が大きく取り沙汰されたが、今回は多くのメディアが名前を出さず、“大物”“幹部”として報じ、配慮のあとが見える。

 やはり、5年前の騒動で、その名前と存在、影響力を見せつけたことが背景にあるだろう。

「“芸能界のドン”といえば、バーニングプロダクションの周防郁雄社長のイメージが強くあるかもしれませんが“裏のドン”こそ、この田邊氏ですからね」(芸能プロ幹部)

 70年代、田邊氏は“田辺昭知とザ・スパイダース”のリーダーとして、堺正章かまやつひろし、井上順らを率いて、グループ・サウンズを国民的大ブームとして大いに盛り上げた。

「駆け出しの頃は北島三郎の運転手をしていたという周防氏は、ずっと裏方でしたが、田邊氏は元々が表の世界の大スター。当時から立場が違いました。しかも、スター出身でありながら一線を退いてからは裏方に徹し、タモリ堺雅人を育てる一方、音楽出版権利事業でも大きな成功を収めた。時代の変化に敏感で経営感覚にも秀でた知性派としても業界で一目も二目も置かれていた。そんな田邊氏に、真っ向意見のできる業界人、テレビマンなどいませんからね。ジャニーズを出て行こうとしていたSMAPが受け入れ先として頼っていたのが、この田邊氏であったことからも、その存在の大きさが分かるでしょう」(前出・芸能関係者)

 5年前の騒動を収めたのは、紛れもなくこの田邊氏の力。その芸能界パワーの前には、毒舌でならした有吉もどうにもならず、「もう会いません」と一筆書かされて別れさせられたとも言われたが、今回、2人がゴールインしたことで、そうした田邊氏に対する記事や噂が、ほとんどウソか憶測であったことが明らかになっている。

「むしろ、自身へのそうした憶測記事に反論することもなく、盾となって傷ついた夏目を守ってきた田邊氏の姿が見えてきます。有吉も、そんな田邊氏だからこそ夏目のことをネタにすることもなく足並みを揃えてきたわけです。しかも田邊氏は今回の結婚のスクープを、スポニチとともに因縁ある日刊スポーツにも書かせるという器の大きな采配を見せ、“さすがだな”と、業界関係者を唸らせていますね」(前出・芸能関係者)

 5年前の騒動はなんだったのか──これが答えなのである。

(露口正義)

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