コロナ禍で大きな影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優を応援する短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』(21年公開)。『新聞記者』(19)の藤井道人監督、『カメラを止めるな!(17)の上田慎一郎監督、『幼な子われらに生まれ』(17)の三島有紀子監督を中核に、12人の映画監督が短編を手がける同プロジェクトより、三島監督チームの作品のキャスト、タイトルが解禁となった。

【写真を見る】プロジェクト名には「COVID-19をひっくり返したい」という思いが込められている

本プロジェクトで「共有」をテーマに掲げた三島監督チームには山嵜晋平、齋藤栄美、一般公募から選ばれた加藤拓人といった監督陣が参加。三島監督は14年ぶりの主演作『椿の庭』が公開中の名女優・富司純子と『くれなずめ』(近日公開)の藤原季節を主演に迎え『よろこびのうた Ode to Joy』を手がける。山嵜監督の『YEN』には『朝が来る』(20)の蒔田彩珠と舞台「アルプススタンドのはしの方」の中村守里が出演する。

齋藤監督の『海にそらごと』には『パッチギ!LOVE&PEACE』(07)の中村ゆりと本作が映画デビューとなる高田万作の出演が決定。そして加藤監督の『睡眠倶楽部のすすめ』では前田敦子が主演を務める。

個性豊かな監督と役者が顔を揃えた『DIVOC-12』。それぞれの作品のなかで一体どんな“共有”が描かれるのだろうか?日本映画界に希望を灯すプロジェクトへの期待が高まる。

<キャストコメント>

●富司純子

新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、数々の映画製作が延期や中止になり、携わるスタッフ、俳優、関係者の仕事が無くなり生活に困窮しているのが現状です。そんな中、有志が映画製作に取り組むお話を頂き、喜んで参加させて頂きました。三島監督はじめ、スタッフがコロナ感染に神経を使い無事に撮り上がりました作品です。皆、映画が好きな人々が集まりました。皆の映画への情熱を感じて下さればこの上ない喜びです」

●藤原季節

「この作品のことを思い出そうとすると頭が真っ白になります。夢中でした。このコロナ禍において僕たち俳優もまた、とてつもない緊張感に晒されて生きています。いつ仕事がなくなるかわからない。新人が作品にチャレンジ出来る機会も減ってきたように思います。このプロジェクトで三島組に出逢い、頭が真っ白になるような喜びを味わいました。この映画は出逢いの映画でもあります。まさに僕にとっても出逢いとなった、この映画を届けたいです」

●蒔田彩珠

「脚本を読んだ時、短い物語の中にも、沢山の意味が込められていると思いました。

どんなに親しい仲でも、共有できない想いがあったり、自分にしか分からない気持ちの整理の仕方があったり。この作品を観てくださった方に、作品を通して伝えたいこと、が少しでも多く伝わったらいいなと思います」

●中村守里

「コロナ禍で世界中が戦っている今ですが、作品作りを通して発信し続けることは大事なことだと、エンターテイメント界の一端にいる私も感じています。このプロジェクトに参加出来ること、感謝いたします。今回起用して下さった関係者の皆様、改めてありがとうございます。

山嵜監督の『YEN』は短編映画ならではの洗練された脚本です。そこに自分がどんな風にはまっていけるのか、監督の期待に応えられるのか、楽しみながら試行錯誤して撮影に挑みたいと思っています。楽しみにしていてください!」

●中村ゆり

「以前の生活とは変化した昨今、沢山の過去の価値観の見直しを世界中がしている中で、孤独を感じる時も、新たな気付きがあったりする時もあります。こんな今だからこそ、人間のふとした優しさや温もりを感じれるような作品にしたい想いで、監督と沢山のお話をしながら作品に向き合っています」

●高田万作

「初めて映画制作に参加させていただきます。今回の作品は、とても自分らしさを求められる作品だと思っています。立ち居振る舞いや後ろ姿だけで役の生い立ちまでを伝えられるような演技が出来るように、映画の世界の中に入り込みたいと思います。初めての経験ばかりで不安もありますが、とても楽しみです。自分の素を信じて、勝負したいと思います!!!!よろしくお願いします」

前田敦子

「皆で力を合わせて、一つになって大きな作品を作るということが今、必要なことだと感じているので、このプロジェクトで監督3人がそれぞれチームを作って、新しい世界に導いてくださるのはすごく素敵なことだと思いました。加藤監督の作品に携わらせていただいてとても嬉しいです」

※高田万作の「高」は「はしご高」が正式表記

文/入江奈々

ベテランから旬の若手、そしてオーディションで選ばれた俳優まで、個性豊かな役者たちが集結