日本では「高齢者ほど豊か」である傾向が強いが、これは中国とは逆の傾向なのだという。中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、日本では高齢者の方が若者より「金銭的に余裕がある」傾向が強いと伝え、その理由について説明する動画を配信した。

 配信者は日本在住の中国人女性で、神戸の街の様子を撮影しながら、日本では「年を取るほど金持ちになる」と主張し、その理由について解説している。この女性によると、理由の1つは「退職時に退職金が出る」からだという。確かに、かつては退職時に高額な退職金が支払われていたが、最近では終身雇用自体が崩れてきているので、その限りではないと言えるだろう。

 また、退職後も「生活費の一部が支給される」のでお金がたまる一方だとしている。これは厚生年金国民年金の支給を指して言っているようだ。さらに、日本では多くの高齢者が退職後も何らかの仕事を続けると指摘した。この収入もあるので経済的にゆとりがあるのは当たり前としている。

 そのうえで配信者は、日本は「貧富の差が小さい」と指摘した。高齢者のみならず、普通の人でも働くことを厭わなければ生きていくことはできるので、社会全体が安定していると分析している。

 この動画を見た中国のネットユーザーからは「中国の高齢者は年をとるほど貧しくなる。なんてかわいそうなんだ」とのコメントが寄せられた。これが多くの中国人の現実なのだろう。確かに中国では金銭的に余裕があるのは高齢者より若い世代の方が多いように見える。中国は1978年の改革開放以降は経済が速く、大きく、変化を続けてきたが、若い世代はこうした変化に適応しやすく、富も獲得しやすいのかもしれない。

 また、「なぜ日本とドイツは貧富の差が小さいのだろうか」との疑問の声もあった。資本主義の日本で貧富の差が小さく、共産主義の中国の方が貧富の差が大きいというのは大きな矛盾だと言える。ほかにも、「年をとるほど金持ちというのは社会のあるべき正常な姿だと思う」との意見もあり、日本の社会をうらやましく思った人が多いようだった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

高齢者が豊かな日本、中国ネット「高齢者ほど貧しい我が国と正反対」