2018年に日本国内で社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!(17)を、第84回アカデミー賞で作品賞をはじめ5部門を制した『アーティスト』(11)のミシェル・アザナヴィシウス監督がリメイクする『Z(comme Z)』の撮影がパリ郊外でスタートした。「Screen Daily」が報じている。

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わずか300万円で製作されたインディペンデント映画『カメラを止めるな!』は、都内2館で公開されるや瞬く間にクチコミで話題が広がり全国に拡大上映。最終興行収入は31.2億円を記録し、第61回ブルーリボン賞作品賞をはじめ国内の多くの映画賞を受賞。また海外の映画祭でも絶賛を獲得し、2019年春にはフランスで、2019年秋にはアメリカで劇場公開もされている。

今回のフランスリメイク版で主演を務めるのは『スパニッシュ・アパートメント』(02)や『彼は秘密の女ともだち』(14)で知られるロマン・デュリス。共演には『アーティスト』でヒロインを演じたベレニス・ベジョや、『燃ゆる女の肖像』(19)のルアナ・バイラム、『ザ・リング/リバース』(17)マチルダルッツらヨーロッパ映画界を代表する実力派たちが名を連ねている。

『アーティスト』で世界的名声を獲得して以後は、『あの日の声を探して』(14)や『グッバイ・ゴダール!』(17)と評価が伸び悩んでいるアザナヴィシウス監督。第19回東京国際映画祭でグランプリを受賞した『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(06)など元々はコメディ監督としてその才を発揮していた彼が、久々のコメディ作品で輝きを取り戻すことができるのか注目したい。

なお『Z(commeZ)』は、オリジナル版を手掛けたENBUゼミナールが製作に参加。同じく製作に携わるGAGAの配給のもと、日本での公開もすでに決まっているとのこと。詳しい公開時期などはまだ明らかになっておらず、続報に乞うご期待だ。

文/久保田 和馬

社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』がフランスでリメイク!/ [c] ENBU ゼミナール